コットンパルプや精製木材パルプからつくられた原料を、塩化亜鉛溶液に浸漬して任意の厚さに積層後、塩化亜鉛を除去・乾燥して出来るシート素材。塩化亜鉛による繊維の膨潤作用を利用して繊維間を強固に結合させているため、緻密かつ強靱なシートが得られる。優れた剛性、耐圧縮性、耐磨耗性などに加え、断熱性や非帯電性、電気絶縁性、さらにはセルロース由来の吸放湿性や易廃棄性を有し、電気部品や機械部品、建材などさまざまな産業資材として用いられる。近年は環境への配慮から、バルカナイズド・ファイバーが見直される傾向にある。
出典:「知っておきたい紙パの実際2009」株式会社紙業タイムス社