日本製紙と河北新報社はこのほど、新聞配送後のトラックで新聞用紙を運ぶ「新ラウンド輸送」を開始、1月13日に日本製紙の岩沼工場で出発式を行った。
両社が進める新ラウンド輸送とは、岩沼工場で製造している新聞用紙のうち小型サイズの巻取紙(C巻、D巻)を、河北新報輸送が保有する3tトラックで約30㎞離れた仙台市泉区の河北新報印刷センターに運ぶというもの。当面は、宮城県南方面に河北新報朝刊を配送したトラック2台が帰り道で岩沼工場へ立ち寄り、1台につき巻取紙2本を搬送する。
月約100tの新聞用紙が運べる計算で、これは岩沼工場から河北新報印刷センターに搬送する月間輸送量の約7%に相当する。今後は搬送トラックを6台まで増やし、搬送量の約18%(月間約250t)をこの方式で運ぶ考え。
両社は、新聞配送後に空になるトラックの活用を目指して、ほぼ1年かけて可能性を調査、協議してきた。商品配送後の帰り便で別の物品を運ぶラウンド輸送をしている企業はあるが、新聞社と製紙会社がタイアップし、新聞配送後のトラックを使って新聞用紙を運ぶのは全国初の試み。日本製紙は、「これにより両社の輸送コスト削減だけでなく、新聞用紙の安定供給体制の強化やエコ輸送の実現につなげる」としている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 1/24号」より