凸版印刷とサントリーフーズは共同で、省電力の電子ペーパーサイネージ「まちコミ」を搭載した自動販売機を開発、仙台市の協力のもと市内の仮設住宅7ヵ所で、地域情報インフラとしての可能性を探る実証実験を9月から開始した。
「まちコミ」とは、低消費電力の電子ペーパーを活用した、地域密着型の情報配信サービス。電源を切っても最後に表示した画像を保持でき、災害に伴う停電時でも直前の情報を発信し続けられるので、防災用の表示装置として有望視されている。凸版印刷が08年12月に商用化した。現在は仙台市地下鉄のホームの対向壁に設置した大型電子ペーパーサイネージに、広告とともに地域密着型のニュースや天気予報などの情報を配信している。東日本大震災後は、復興関連支援情報なども発信した。
今回の実証実験では、サントリーフーズの自動販売機に、凸版印刷の「まちコミ」を搭載。仮設住宅でニュースや行政情報など、地域コミュニティに関する情報を配信する。身近にある自動販売機を活用することで、デジタルデバイスなどの有無に関係なく、幅広い世代の地域住民が生活情報に触れられるようにするのが狙い。これにより地域コミュニティの活性化を支援し、また情報インフラとしての効果を検証する。
凸版印刷とサントリーフーズは今後、実証実験をもとに自治体や住宅関連企業向けに「まちコミ」自動販売機の展開を検討していく。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 11/7号」より