トッパン・フォームズは中国で、ダイレクトメールの製造から郵送手続きまでを請け負うサービス「チャイナDM」を、11月から開始した。
中国では経済発展とともに、若年の富裕層から中間層を中心に物品の購買意欲が高まり、旅行や子どもの教育などにも惜しみなく投資する傾向が強まっている。一方、販促効果の高いダイレクトメールは、08年頃から一部で見られるようになったものの、日本国内の普及状況と比べると、まだ黎明期。また、封筒や内容物への印刷内容に関する検閲や、製造についての許認可が必要となるなど、中国国内での知名度やノウハウを持たない企業がダイレクトメールを発送するには多くの障壁がある。
このような状況に対応し、中国市場への進出を目指す企業をサポートするため、トッパンフォームズは広州トッパン・フォームズ情報技術有限公司を通じ、中国郵政との連携を図ることで、今回のサービス提供を実現した。
「チャイナDM」を利用すれば、ダイレクトメールの発送者は、日本など諸外国にいながら中国国内向けのDM発送依頼ができる。また、検閲などの手続きもすべてトッパンフォームズと広州トッパンフォームズが代行するため、発送に多くの時間や手間をかける必要がない。さらに、DMの部材調達はすべて中国国内で行うため、輸出入などの煩雑な処理も不要となる。
トッパンフォームズでは今後、中国市場での開拓・販売促進を考えている日本企業、中国日系企業、香港・シンガポール企業および中国ローカル企業などへ、「チャイナDM」の提案を進め、16年度までに4,000万通、20億円の売上げを目指す。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 12/19号」より