前号掲載の日本製紙、大王製紙、北越紀州製紙、三菱製紙に続き、王子製紙も印刷・情報用紙の値上げを打ち出した。これにより製紙大手5社の印刷用紙値上げが出揃った。前号以降のアナウンスは次の通り。
●王子製紙…①対象品種:印刷用紙全般(上質紙、塗工紙、微塗工紙ほか)、情報用紙全般(フォーム用紙、ノーカーボン紙、PPC用紙ほか) ②値上げ幅:10%以上 ③実施時期:10月21日出荷分より ④理由:今春、印刷用紙の価格修正を実施したが、円安によりチップ、重油などの原燃料価格は依然高騰している。あらゆる分野でコストダウンに取り組んでいるが、再生産可能な収益の確保はいまだ困難な状況。安定供給のためにも印刷・情報用紙の価格修正に踏み切らざるを得ない。
●中越パルプ工業…①対象品種:印刷用紙、情報用紙、加工原紙 ②値上げ幅:10%以上 ③実施時期:10月21日出荷分より ④理由:原油を中心とした原燃料価格は円安基調もあって高騰を続けている。諸経費の上昇は避けられず、固定費を含めコスト削減に努めているものの、自助努力の限界を超えており、今後の安定供給のために新たな価格修正を決定した。
●富士フイルムビジネスサプライ…①対象品種:富士フイルム感圧紙(巻取・平判) ②値上げ幅:10%以上 ③実施時期:11月1日出荷分より ④理由:円安傾向の継続により各種原燃料価格が高騰し、原価が大幅に上昇している。生産効率化や物流費削減など、コストアップの吸収に努めてきたが、企業努力の範囲を超える状況にあり、やむをえず価格改定を決めた。
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/21号」より