ショッピングバッグの紙製化・有料化を18年12月に導入したスウェーデンのアパレルメーカー、H&Mはこのほど、約1年が経過した現在の進捗度を公表した。それによると、日本国内(オンラインを除く)の店舗におけるショッピングバッグの年間消費量が約53%削減され、初年度の目標を達成した。導入時の目標は「初年度でショッピングバッグの消費50%削減」だった。
同社のルーカス・セイファート社長は、この目標達成について「とても嬉しく思う。壮大な目標であると理解したうえで掲げたものだったが、企業とお客様がともに環境問題に取り組めば、可能性が広がることを表している」とコメント。
一方、紙製バッグの製造コストを除いた有料化(最小サイズを除いて一律20円)による余剰金はWWFジャパンへ寄付され、日本のプラごみ問題の解決を含む海洋環境保全活動全般、および日本国内の淡水や海に関する自然環境保全活動に活用される。
WWFジャパンではこの寄付金を活用し、東北・九州・南西諸島などで海洋プラごみ問題に関する地域住民への啓発活動と同時に、各地域の海岸や水路の清掃作業などを実施。海洋プラごみは陸域からの流出が大半であるため、こうしたクリーンアップ活動は、ごみとなったプラスチックがマイクロプラスチックとなって海に滞留するのを防ぐためにも重要となる。
「H&Mでは今年7月のレジ袋有料化に先駆けて、すでにショッピングバッグの消費を半減させた。こうした取組みが、日本のファッション業界や小売業界全体に波及することを期待している」(WWFジャパン)。
なお、H&Mグループでは2025年までに、自社製品で使用する全包装・パッケージをリユース、リサイクル、または堆肥化可能なものへと切り替え、さらに同年までに自社内で発生する包装・パッケージ廃棄物を100%リユースもしくはリサイクルする目標を掲げている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future3/9号」より