＝紙パの第3四半期④＝
前号に続き、紙パ関連各社の2020年3月期第3四半期決算（19年4～12月）を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、（ ）内は対前年同期増減率、〈 〉内は前年同期の実績値。
【紙加工】
■トーモク
〔第3四半期〕
売上高 128,303 （＋4.0％）
営業益 3,635 （＋21.4％）
経常益 3,820 （＋13.9％）
当期益 2,379 （＋19.4％）
〔通期予想〕
売上高 178,000 （＋3.7％）
営業益 6,700 （＋28.7％）
経常益 7,000 （＋24.9％）
当期益 4,500 （＋0.8％）
○段ボール…売上高は前年同期比＋8.8％、営業利益は同＋26.1％。製品価格改定により増収増益。生産量もプラス。
○住宅…売上高は売上棟数が減少し前年同期比△3.0％。営業損益は、上半期はコストが先行する住宅事業の特性もあり△1,557百万円（前年同期は△1,508百万円）。
○運輸倉庫…売上高は取扱量の減少により前年同期比△1.8％。営業利益は、車両不足や在庫量増加による費用増もあり、同△13.0％。
通期予想は、昨年5月に発表した前回予想を修正した。修正額（単位100万円）は、売上高△7,000、営業益△900、経常益△1,000、当期益△500。住宅事業で売上棟数が計画を下回る見込み。運輸倉庫事業も暖冬や感染症流行から売上減少が見込まれる。
■ナカバヤシ
〔第3四半期〕
売上高 48,036 （＋3.1％）
営業益 1,211 （＋11.7％）
経常益 1,483 （＋5.3％）
当期益 942 （＋2.5％）
〔通期予想〕
売上高 65,000 （＋1.5％）
営業益 3,200 （＋53.1％）
経常益 3,600 （＋45.9％）
当期益 2,000 （＋27.7％）
○ビジネスプロセスソリューション事業（データプリントサービス、図書館ソリューションなど）…売上高は前年同期比＋3.2％、営業利益は同＋110.9％。
○コンシューマーコミュニケーション事業（ノート、アルバム、ステーショナリー関連）…売上高は前年同期比＋4.4％、営業利益は同△18.2％。アルバム、ステーショナリーの売上高は店頭市場の低迷により減少。PC関連商品は堅調。新連結子会社の業績が収益に寄与した。
○オフィスアプライアンス事業…売上高は前年同期比＋1.9％、営業利益は同＋1.1％。
○エネルギー事業…売上高は同△10.9％、営業利益は同△31.7％。
○その他…売上高は同＋20.9％、営業損益は△23百万円（前年同期は△21百万円）。
■スーパーバッグ
〔第3四半期〕
売上高 24,794 （△3.1％）
営業益 380 〈△121〉
経常益 394 〈△68〉
当期益 260 〈△82〉
〔通期予想〕
売上高 33,000 （＋0.0％）
営業益 300 〈320〉
経常益 300 〈350〉
当期益 200 〈209〉
○紙製品事業…売上高は前年同期比△1.1％、セグメント利益は同＋43.6％。主力の手提袋の販売金額は増加したが、角底袋、平袋、包装紙、紙器が減少し減収となった。利益は、生産効率向上、コスト削減、販売価格修正、販管費の減少などにより増益となった。
○化成品事業…売上高は前年同期比△6.9％、セグメント利益は同＋241.3％。主力のレジ袋やポリ手提袋の販売量・金額が減少し、減収となった。利益は、原材料価格の低下や販管費減少により大幅増益。
○その他事業…売上高は前年同期比＋0.5％、セグメント損益は黒字転換して56百万円（前年同期は△1百万円）。
■昭和パックス
〔第3四半期〕
売上高 16,183 （△1.6％）
営業益 1,039 （△9.4％）
経常益 1,179 （△8.0％）
当期益 834 （△7.6％）
〔通期予想〕
売上高 22,000 （＋0.8％）
営業益 1,500 （△1.5％）
経常益 1,630 （△2.3％）
当期益 1,120 （△3.0％）
○重包装袋…売上高は前年同期比△1.5％、セグメント利益は同△6.9％。クラフト紙袋の売上量は、米麦袋の減少はわずかだったが主力の合成樹脂のほか、化学薬品、砂糖・甘味用途が減少し同△4.3％。子会社の売上量は、九州紙工△1.5％、タイ昭和パックス△9.1％、山陰製袋工業は微増。
○フィルム製品…売上高は前年同期比＋1.2％、セグメント利益は同＋11.5％。売上量は産業用が増加、農業用が減少し、合計でほぼ前年同期並み。
○コンテナー…売上高は前年同期比△6.6％、セグメント利益は同△77.1％。
○不動産賃貸…売上高は前年同期比△2.4％、セグメント利益は同△9.0％。
■大石産業
〔第3四半期〕
売上高 14,490 （＋1.3％）
営業益 750 （＋21.4％）
経常益 907 （＋22.5％）
当期益 663 （＋37.1％）
〔通期予想〕
売上高 20,000 （＋6.5％）
営業益 1,050 （＋38.2％）
経常益 1,300 （＋37.6％）
当期益 900 （＋55.9％）
売上高はフィルム製品、海外紙袋製品が減収だったが、パルプモウルド製品、新規立ち上げの樹脂成型品、国内の重包装袋製品の増収により増収となった。1Qでグループ会社となった柳沢製袋も順調。利益面は、M&Aに関連する一時費用の計上はあったが、緩衝機能材事業の好調により増益となった。
■ハビックス
〔第3四半期〕
売上高 9,862 （△1.1％）
営業益 789 （＋24.2％）
経常益 861 （＋33.3％）
当期益 591 （＋33.1％）
〔通期予想〕
売上高 13,151 （＋2.6％）
営業益 884 （＋29.2％）
経常益 869 （＋25.2％）
当期益 609 （＋28.3％）
○不織布関連事業…売上高は前年同期比＋1.1％、セグメント利益は同＋1.4％。パルプ不織布は、ドリップ吸収シート向け製品やクッキングペーパーが堅調に推移し売上高が増加。利益は、コスト削減に加え、原燃料価格が下落傾向で推移し増加。化合繊不織布は、ベビー用紙おむつ向け製品が軟調で減収減益。
○紙関連事業…売上高は前年同期比△4.1％、セグメント利益は同＋107.3％。衛生用紙は、ペットシーツ向け製品は堅調だったが、ベビー用紙おむつ向け製品が中国向け輸出減少の影響を受け減収となった。利益は、コスト削減およびパルプ価格の下落傾向により増益。
■ニッポン高度紙工業
〔第3四半期〕
売上高 9,597 （△14.7 ％）
営業益 720 （△39.7％）
経常益 724 （△39.1％）
当期益 561 （△60.7％）
〔通期予想〕
売上高 12,800 （△10.9％）
営業益 850 （△36.9％）
経常益 850 （△35.3％）
当期益 650 （△56.5％）
コンデンサ用セパレータの市況回復の遅れや前年度の子会社譲渡もあり、減収となった。利益面は、減収と原価率上昇などにより減益。当期益は、前年同期には子会社譲渡に伴う特別利益があったため減少幅が大きい。
○コンデンサ用セパレータ…売上高は前年同期比△19.6％。世界的な自動車生産台数減少の影響が大きく、また工作機械などの産業機器向けの需要回復の遅れもあった。
○電池用セパレータ…売上高は前年同期比＋43.0％。海外で風力発電やスマートメーター向け電気二重層キャパシタ用が好調。
■中央紙器工業
〔第3四半期〕
売上高 8,006 （△14.7％）
営業益 551 （△19.1％）
経常益 630 （△15.4％）
当期益 414 （△18.1％）
〔通期予想〕
売上高 10,700 （△13.1％）
営業益 700 （△14.8％）
経常益 810 （△10.7％）
当期益 550 （△5.2％）
売上高は、中国事業のスキーム見直しにより、中国分が連結計上されなくなったため減収となった。利益は、生産性向上を進めているものの、原紙など材料価格の値上がり分を完全回収するには至っておらず減益となった。
【紙流通】
■セキ
〔第3四半期〕
売上高 9,165 （＋2.1％）
営業益 44 （＋374.4％）
経常益 168 （＋42.3％）
当期益 100 （＋19.0％）
〔通期予想〕
売上高 12,800 （＋5.4％）
営業益 180 （＋9.3％）
経常益 316 （＋4.8％）
当期益 200 （＋0.6％）
○印刷関連事業…売上高は前年同期比＋1.0％、営業利益は同＋297.7％。企画提案営業の強化や、水性フレキソ印刷加工事業が順調に推移したことより増収増益。
○洋紙・板紙販売関連事業…売上高は前年同期比＋2.2％、営業損益は△8百万円（前年同期は2百万円）。市況悪化や競争激化に伴う利益率低下などにより赤字化した。
○出版・広告代理関連事業…売上高は前年同期比△3.1％、営業損益は△36百万円（前年同期は△37百万円）。
○美術館関連事業…売上高は前年同期比△2.6％、営業損益は△19百万円（前年同期は△21百万円）。
○カタログ販売関連事業…売上高は前年同期比＋11.2％、営業利益は同＋10.4％。
株式会社 紙業タイムス社 「Future3/23号」より
