巴川製紙所は、IoT、5G、AI、カーエレクトロニクスなどの普及に伴って電子機器・部品で求められている高電圧、大電流、高周波に対応するため、「熱・電気・電磁波」をコントロールする『iCas(アイキャス)』ブランドを拡充し、さまざまなソリューションを提供している。そしてこのほど、熱交換率が飛躍的に高いヒートシンクを開発した。
開発のカギとなったのは同社独自の抄紙技術で製造した微細金属繊維シート。比表面積の高い流路構造を形成できるようになり、冷却効果が向上した。従来の同等品と比べ、160W程度の入熱量に対して水冷で20℃以上、空冷で10℃以上の温度低減効果(熱伝達率は2~3倍)が期待できる。
また、従来のヒートシンクに比べて少ない冷媒量でも大幅な冷却効果が得られるため、小型軽量化が可能で、狭小スペースへの設置、設置場所の柔軟性など、装置設計の自由度が向上する。
銅繊維-銅筐体、ステンレス繊維-銅筐体、ステンレス繊維-ステンレス筐体など、要望に応じた素材を組み合わせ、多様な形状、熱設計が可能で、同社は「各種設備や装置の熱対策部材として用途展開を進めていく」としている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future4/27号」より