＝コクヨ＝

1Qは増収減益

通期予想は未定に

　コクヨは、2020年12月期第1四半期決算（20年1～3月）を発表した。以下、連結ベース、単位100万円、（　）内は対前年同期増減率。

〔第1四半期〕

　売上高 90,283 （＋1.1％）

　営業益 8,936 （＋8.5％）

　経常益 8,901 （△2.2％）

　当期益 6,064 （△15.6％）

　オフィス家具販売が好調で増収となり、売上総利益も前年同期比＋4.5％、売上総利益率は1.2ポイント向上して38.6％となった。一方、販管費が同＋3.2％と増加し、売上高販管費率は28.7％となった。当期益のマイナス幅が大きいのは、前年同期に投資有価証券売却益を計上していた反動などによる。

○空間価値ドメイン（オフィス家具など）…売上高は、オフィス家具販売の好調により前年同期比＋4.6％。営業利益は、国内事業の増収や商品構成の改善による売上総利益の増加により、同＋17.4 ％。

○ビジネスサプライドメイン（オフィス用品通販「カウネット」、B to Bサプライ）…売上高は、新型コロナの影響でカウネットの生活用品販売が増加し、前年同期比＋0.6％。営業利益は、前年同期にカウネットの販売費が増加した影響などにより、同＋33.0％。

○グローバルステーショナリードメイン（国内・海外文具）…内外ともに新型コロナの影響で需要が低迷し、売上高は前年同期比△8.2％、営業利益は同△14.4％。

　通期予想は、新型コロナの影響が見込まれ、現時点では算出が困難なため、2月公表の業績予想をいったん取下げ未定とした。併せて配当予想も未定に変更した。「算定が可能となった時点で情報開示に努める」としているが、大幅な減収は避けられない見通しで、経費削減により減益幅の縮小を目指す考え。今後の取組みとして、「構造改革による生産性向上で筋肉質な体制構築に取り組む。アフターコロナを見据えた働き方や学び方の変化に備えた戦略の見直しを加速する」などの方針を発表している。

 

＝三菱製紙＝

業績予想を修正

　三菱製紙は、2月に公表した2020年3月期の通期業績予想（連結）を次記の通り修正した。以下、単位100万円、前期は実績値。

〔通期予想〕

前回 今回 前期実績

売上高 195,000 194,500 203,997

営業益 1,500 1,950 △40

経常益 2,000 2,700 △914

当期益 0 800 351

　売上高は概ね予想通りだが、営業利益は工場のコストダウンや経費削減などにより前回予想を上回る見込み。経常利益と当期純利益は、営業利益の増加に加え、持分法投資利益の増加も織り込んだ。

　なお三菱製紙では、子会社のエム・ピー・エム・王子ホームプロダクツの生産設備新設に関して、「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」のほか、青森県と八戸市からそれぞれ補助金と奨励金の交付が確定し、合計17.4億円を特別利益に計上するが、これらの補助金に対しては、圧縮記帳の会計処理を適用し、同額を圧縮損として特別損失に計上するため業績への影響はない。

 

＝特種東海製紙＝

株式売却益19億円を計上

　特種東海製紙はこのほど、資産の効率化と財務体質向上のため、保有する投資有価証券の一部を売却した。2021年3月期第１四半期決算で、売却益約19億円を特別利益として計上する。

 

＝王子ホールディングス＝

決算発表を延期

　王子ホールディングスは、5月15日（金）に予定していた2020年3月期の決算発表を5月25日（月）に延期する。新型コロナ感染拡大の影響などから、監査法人による監査手続き業務に時間を要しているため。なお、新型コロナの業績への影響は軽微で、2月公表の業績予想に修正はない。

 

＝ナカバヤシ＝

決算発表を延期

　ナカバヤシは、5月13日（水）に予定していた2020年3月期の決算発表を5月22日（金）に延期する。同社では、在宅勤務や時差出勤を実施し、出社人員を約7割削減したが、さらに8割減を目途に取り組んでおり、こうした影響から決算作業に時間を要している。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future5/18号」より