＝紙パの決算＝

　紙パ関連企業の2020年3月期通期決算（19年4月～20年3月）と、12月決算企業の2020年12月期第1四半期業績（20年1～3月）を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、（　）内は対前年同期増減率、〈　〉内は前年の実績値。

【2020年3月期】

■巴川製紙所

〔2020年3月期〕

　売上高 30,995 （△7.3％）

　営業益 △64 〈672〉

　経常益 △146 〈674〉

　当期益 510 〈△2,032〉

〔2021年3月期予想〕

　～未定～

　市場縮小が進む既存製品を抱える機能紙事業は、拡販活動と原価低減活動により利益率の改善が進んだが、トナー事業は、販売量は前期と同水準を維持したものの、価格競争の激化や円高に加え、新型コロナの影響もあり販売金額が減少した。また電子材料事業も、半導体市況に回復の兆しが見られたものの受注回復には至っていない。利益面は、前期の積極投資による固定費増加もあり営業・経常が赤字となった。当期純利益は、これまで持分法適用関連会社だった昌栄印刷を連結子会社化したことに伴う特別利益が特別損失を上回ったことなどにより、黒字化した。

　主なセグメントの業績（前期比）は、プラスチック材料加工事業（トナー、電子材料など）が売上高△8.3％、セグメント利益△86.4％、製紙・塗工紙関連事業（機能紙など）は売上高△6.0％、セグメント損益は△216百万円（前期は△468百万円）。

　2021年3月期予想は、現時点では未確定な要素が多いため発表を見送った。

【2020年12月期1Q業績】

■ザ・パック

〔第1四半期〕

　売上高 19,565 （△7.1％）

　営業益 955 （△12.1％）

　経常益 1,001 （△12.9％）

　当期益 618 （△13.0％）

〔通期予想〕

　売上高 96,800 （＋1.4％）

　営業益 7,000 （＋2.2％）

　経常益 7,300 （＋1.4％）

　当期益 4,900 （＋4.2％）

○紙加工品事業…売上高は前年同期比△6.3％、営業利益は同△5.1％。主力の紙袋は、国内専門店向けおよび米国・中国の子会社、いずれも外出自粛で販売が減少し、売上高は同△16.4％。紙器は食品用パッケージやｅコマース市場向けが好調で、売上高は同＋4.7％。段ボール売上高はｅコマース市場向けが堅調で同＋0.5％、印刷は同＋5.6％。

○化成品事業…売上高は国内専門店向けが減少し前年同期比△10.5％、営業利益も設備投資による減価償却費の増加があり同△31.9％。

○その他…売上高は前年同期比△6.3％、営業利益は同△5.9％。

　なお、2月に公表した2Qの業績予想を新型コロナの影響を織り込み下方修正したが、通期予想については、収束時期が見通せないことなどから一旦据え置きとした。

■ダイナパック

〔第1四半期〕

　売上高 12,527 （△0.9％）

　営業益 △85 〈△357〉

　経常益 44 〈△125〉

　当期益 △35 〈△266〉

〔通期予想〕

　～未定～

　国内段ボール販売量は、昨年の自然災害に起因する販売減や、電気機械の一部得意先の減産により前年同期比△5.7％。利益面は、段ボール製品の価格改定効果で改善している。海外事業は、新型コロナの影響により厳しい事業環境が継続した。

　セグメント別の業績は、包装材関連事業は売上高が前年同期比△1.4％、セグメント損益が△39百万円（前年同期は△347百万円）、不動産賃貸事業は売上高が前年同期比△0.9％、セグメント利益が同△1.3％。

　通期予想は、新型コロナの拡大規模や収束時期が見通せないため、2月に発表した予想を未定に変更した。

■古林紙工

〔第1四半期〕

　売上高 4,037 （△4.2％）

　営業益 157 （＋24.7％）

　経常益 163 （＋27.8％）

　当期益 103 （＋32.2％）

〔通期予想〕

　売上高 18,000 （＋0.2％）

　営業益 500 （△39.9％）

　経常益 500 （△40.8％）

　当期益 350 （△38.8％）

　日本の売上高は堅調だったが、中国で新型コロナの影響により一部納品が減少したため減収となった。利益は日本で一部固定費が減少したため増益となった。

　通期予想は、1Qが概ね予定通りに推移したため、2月に公表した前回予想を変更していない。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future7/6号」より