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紙の業界ニュース

2020/09/29

決 算

=3月決算企業の1Q業績⑤=
 前号に続き、紙パ関連各社の2021年3月期第1四半期(2020年4~6月)決算を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、%表記は対前年同期比、〈 〉内は前年同期の実績値。
【紙加工】
■大石産業
〔第1四半期〕
 売上高 4,680 (+3.9%)
 営業益 282 (+42.2%)
 経常益 316 (+39.2%)
 当期益 211 (+46.5%)
〔通期予想〕
 売上高 20,300 (+6.0%)
 営業益 1,045 (+4.8%)
 経常益 1,250 (+5.2%)
 当期益 835 (+0.8%)
 売上高は、主に海外部門、パルプモウルド製品が減収となったが、フィルム製品、樹脂成型品の増収に加え、昨年子会社化した柳沢製袋の売上げも加わり、全体では増収となった。利益は、フィルム製品の増収効果に加えてパルプモウルド製品の固定費削減、段ボール製品の収益改善などにより増益。
 通期予想は、景気動向や為替相場の先行きなどが不透明であることから、5月に発表した前回予想を据え置いた。
■ニッポン高度紙工業
〔第1四半期〕
 売上高 3,758 (+16.6%)
 営業益 631 (+143.8%)
 経常益 615 (+152.7%)
 当期益 466 (+102.0%)
〔通期予想〕
 売上高 12,500 (△4.6%)
 営業益 900 (△9.6%)
 経常益 900 (△7.3%)
 当期益 600 (△13.2%)
 コンデンサ用セパレータは、新型コロナ感染拡大に備えた在庫確保の動きに加え、データセンターや国内外での5G関連向けが堅調に推移したため、売上高は+14.0%となった。電池用セパレータは、海外向け電気二重層キャパシタ用の需要が旺盛で、売上高は+26.3%。利益は、増収に伴い稼働率が向上したことで原価率が低減したため、増益となった。
 通期予想は、新型コロナ感染拡大の程度や業績への影響が不透明だとして、5月に公表した前回予想を変更していない。夏場から秋口にかけて新型コロナの影響が大きく、年明け以降、徐々に事業活動が回復する前提で算出している。
■野崎印刷紙業
〔第1四半期〕
 売上高 3,048 (△16.4%)
 営業益 △56 〈△30〉
 経常益 △40 〈△28〉
 当期益 △51 〈△34〉
〔通期予想〕
 ~未定~
 外出自粛による自宅需要の高まりから受注が増えた部門もあったが、製造部門の一部において、生産調整や一時休業などが実施され、生産、出荷量が落ち込むなどの厳しい経営環境となっている。
○商業印刷部門…新型コロナの影響でイベントなどが中止・延期され受注が停滞、売上高は△11.3%。
○包装資材・紙器、紙工品部門…売上高は△20.8%。紙器は物流業者、食品メーカーなどからの受注数増もあり+10.4%となったが、百貨店、小売業の時短営業や休業などにより、包装紙・紙袋類などが大きく減少した。
○情報機器・サプライ品部門…売上高は△10.5%。タグ・ラベルは流通業界を中心に減少。情報機器類もリプレイスの延期、新規導入の凍結などの影響を受けた。
○その他…売上高は△13.3%。
 通期予想は、新型コロナの影響を現時点で適正かつ合理的に算定するのは難しいため、引き続き未定とした。
■ハビックス
〔第1四半期〕
 売上高 2,629 (△19.0%)
 営業益 162 (△22.8%)
 経常益 152 (△30.3%)
 当期益 99 (△34.5%)
〔通期予想〕
 売上高 10,500 (△18.4%)
 営業益 450 (△52.3%)
 経常益 450 (△56.6%)
 当期益 310 (△45.2%)
○不織布関連事業…売上高は△31.3%、セグメント利益は△33.4%。パルプ不織布は、家庭用クッキングペーパーが伸長したが、外食産業の市場縮小に伴い、業務用クッキングペーパーやおしぼり向け製品の受注が大幅に減少した。
○紙関連事業…売上高は△1.5%、セグメント利益は+32.9%。衛生用紙は、外食産業の市場縮小に伴いおしぼりやテーブルナプキン向け製品の受注が低迷し、減収となったが、生産性の向上やコスト削減に加え、パルプや燃料価格が下落傾向で推移したことにより利益はプラスとなった。
 通期予想は、5月の前回予想では未定としていたが、今回は現時点で入手可能な予測をもとに算定した。主要ユーザーである外食産業が極めて大きな新型コロナの影響を受けており、今年度中は一定程度の影響が継続するという前提で、1Qの業績などを踏まえて見通しを立てた。
■中央紙器工業
〔第1四半期〕
 売上高 1,758 (△32.9%)
 営業益 △127 〈186〉
 経常益 △101 〈221〉
 当期益 △59 〈140〉
〔通期予想〕
 売上高 8,800 (△15.9%)
 営業益 30 (△95.3%)
 経常益 100 (△86.5%)
 当期益 60 (△87.7%)
 国内外の経済環境が悪化する中、段ボールは、主要ユーザーである自動車関連の売上高が大きく落ち込んだ影響により、収益面で厳しい状況となった。
 未定としていた通期予想については、自動車関連の生産動向など現時点で入手可能な情報や予測に基づき算定した。
■大村紙業(非連結)
〔第1四半期〕
 売上高 1,145 (△13.8%)
 営業益  30 (△59.6%)
 経常益  34 (△54.9%)
 当期益  21 (△55.6%)
〔通期予想〕
 売上高 4,897 (△7.0%)
 営業益 214 (△31.2%)
 経常益 211 (△34.0%)
 当期益 127 (△17.3%)
 外出自粛や休業の広がりなどにより、社会経済活動が低調となったことから、非常に厳しい状況での推移となった。段ボールシート生産量は△15.8%の1,100万㎡、段ボールケース生産量は△12.0%の700万㎡。品目別売上高は、段ボールシートが224百万円、段ボールケースが705百万円、ラベルが40百万円、その他(主に包装資材)が175百万円。
 通期予想は、5月に公表した前回予想から変更なし。
 
株式会社 紙業タイムス社 「Future9/28号」より
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