中越パルプ工業はこのほど、セルロースナノファイバー(=CNF)を用いた複合樹脂ペレット・マスターバッチ品(=MB)の販売を開始、衝撃強度を強化したものをはじめ複数のグレードを揃えた。
CNFは、プラスチック分野で低比重・高剛性化による軽量化が期待できる補強剤として、自動車産業をはじめさまざまな産業分野で応用が試みられている。
同社はこれまで、CNF (同社商標名『nanoforest』)を用い、ポリプロピレン(=PP)との複合を可能とした粉末グレード『nanoforest-PDP』(=PDP)を提供してきた。しかし、検討先でPPとの混錬時にPDP分散性の課題があったことから、今回、PDPを事前にPPへ良分散させたMB品『nanoforest-MB』を提供することとしたもの。
また、CNF複合樹脂の実用化に向けた取組みでは、剛性が向上する一方で、固く脆い性質に起因する衝撃強度の低下が課題として挙げられ、特に自動車産業分野では衝撃強度の強化が望まれていることから、同社では衝撃強度の強化にも取り組み、標準グレードのMB品に加えて衝撃強度を強化した3種類を新たに揃え、提供を開始した。
■『nanoforest-MB』ラインアップ
○標準グレード(1種)
○衝撃強度強化グレード(3種)…衝撃タイプ/高剛性タイプ/高衝撃タイプ
また同社では、今後のMB開発展開として、剛性、軽量化以外の機能性付与も開発中。さまざまな分野での応用・実用化を目指し、丸紅と共同で開発営業展開の強化を図っている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/5号」より