日本製紙連合会が集計した8月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比△13.9％の160.8万tで13ヵ月連続の減少となった（以下、％表記は前年同月比）。うち、紙は△19.1％の80.5万t、板紙は△7.9％の80.3万t。用途別では、グラフィック用紙（新聞用紙＋印刷・情報用紙）が△21.0％の58.4万tで45ヵ月連続の減少。パッケージング用紙（包装用紙＋段ボール原紙＋紙器用板紙＋雑種紙＋その他の板紙）は△9.5％の88.5万tで11ヵ月連続の減少。主要品種はすべて前年割れとなった。
紙・板紙のメーカー輸出は＋22.3％の13.8万tで8ヵ月連続の増加。うち、グラフィック用紙は△30.9％の3.0万tで5ヵ月連続減。パッケージング用紙は＋55.2％の10.8万tで9ヵ月連続増。グラフィック用紙は塗工紙を中心に東南アジア、東アジア、南アジア向けなどが減少。パッケージング用紙は段ボール原紙を中心に東アジア向けが増加した。
紙・板紙の在庫は前月比△0.6万tの207.6万tで3ヵ月連続の減少となった。うち、グラフィック用紙は印刷・情報用紙は減少も、新聞用紙が増加し、同＋0.1万tの99.2万tで4ヵ月ぶりの増加。パッケージング用紙は、包装用紙、段ボール原紙は増加も、白板紙が減少して同△1.2万tの100.1万tとなり、3ヵ月連続減。衛生用紙は同＋0.6万tの8.3万tで前月の減少から増加に転じた。
〔主要品種の動向〕
＊新聞用紙…国内出荷は△15.0％の16.7万tで34ヵ月連続減。
＊印刷・情報用紙…国内出荷は△23.2％の41.7万tで13ヵ月連続減。非塗工紙、塗工紙、情報用紙とも減少。メーカー輸出は△30.9％の3.0万tで5ヵ月連続減。
＊包装用紙…国内出荷は△20.9％の4.3万tで17ヵ月連続減。未晒、晒ともに減少。メーカー輸出は△13.5％の1.4万tで前月の増加から減少に転じた。
＊段ボール原紙…国内出荷は△5.6％の66.2万tで11ヵ月連続減。メーカー輸出は＋110.8％の8.7万tで9ヵ月連続の増加。
＊白板紙…国内出荷は△17.0％の9.1万tで13ヵ月連続減。高板、特板、コート白ボールとも減少。
＊衛生用紙…国内出荷は△7.0％の13.9万tで4ヵ月連続の減少。タオル用紙は増加したが、トイレットペーパー、ティシュは減少。
原材料も需要低迷続く
紙・板紙の需要減を受けて、原材料もパルプ・古紙ともに需要低迷が続いている。以下、日本製紙連合会が発表した原材料需給速報を紹介する（％表記は、特に記載がない限り前年同月比）。
■パルプ速報（8月）
製紙パルプ生産量は△26.8％の54.8万tで13ヵ月連続の減少。このうち、BKPは△32.6％の43.1万tで12ヵ月連続減、UKPは前年が少なかったため＋23.1％の7.9万tと、4ヵ月ぶりの増加となった。
製紙パルプ販売は△5.3％の7.1万tで8ヵ月連続の減少。うち、BKPは国内販売と輸出いずれも振るわず△18.8％の4.7万tで13ヵ月連続減。UKPは輸出のプラスが寄与し、＋48.5％の2.2万tで2ヵ月連続の増加となった。在庫は、BKPが前月比＋1.7％の15.7万tで2ヵ月連続の増加、前年同月比は＋27.4％で8ヵ月連続増となっており、在庫水準が上がっている。UKPは前月比△3.2％の2.8万tで2ヵ月連続の減少、前年同月比は＋43.2％で3ヵ月ぶりの増加となった。
■パルプ材速報（8月）
パルプ材消費はパルプの生産減を受け△25.6％の105.6万tと11ヵ月連続の減少。うち針葉樹は△7.2％の36.1万tで4ヵ月連続の減少、広葉樹は△32.5％の69.6万tで12ヵ月連続減。
集荷は、△34.9％の91.5万tで12ヵ月連続の減少。このうち、国産は△15.5％の29.6万tで10ヵ月連続減。国産の内訳は、針葉樹が11ヵ月連続減で△12.9％の22.2万t、広葉樹は8ヵ月連続減で△22.4％の7.4万t。輸入は△41.3％の61.9万tで12ヵ月連続減。輸入の内訳は、針葉樹が△20.7％の9.0万tで4ヵ月連続減、広葉樹は△43.8％の52.9万tで12ヵ月連続減。国産・輸入ともに大幅減となったが、国産優先の動きから、輸入に比べると国産の減少幅は小幅。
在庫は、前月比△14.6万tの168.9万tで2ヵ月連続の減少。前年同月比は△9.4％。維持月数は前月から0.2ヵ月分減少し1.8ヵ月となった。
■古紙需給（7月）
古紙入荷は△11.3％の123.2万tで10ヵ月連続の減少。うち新聞古紙は△25.1％の18.4万tで12ヵ月連続減、段ボール古紙は△5.1％の70.8万tで10ヵ月連続減。
消費は、△9.3％の128.1万tで18ヵ月連続減。低調な紙・板紙生産が原因だが、中でも古紙配合率の高い新聞用紙や段ボール原紙の生産減が響いた。在庫は△6.3％の66.1万t（前月比は△7.0％）。輸出は、△5.0％の27.5万tとなり2ヵ月連続の減少。シェア1位の中国向けの減少が影響した。
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/12号」より
