日本包装技術協会が主催する「2020日本パッケージングコンテスト」で、王子ホールディングスなど多数の紙パルプ企業が入賞した。以下に主な受賞作品を紹介する。

 

■王子ホールディングス

　王子HD、王子コンテナー、佐川グローバルロジスティクス、アルテックが共同実施した「自動包装システム（CartonWrap）を使用した輸送箱の最適化包装」が、最高位の経済産業大臣賞を受賞した。自動包装システムは、専用資材の連続段ボール『らくだん』を使用し、梱包サイズを最適化できる包装システムで、王子HDが物流センター向けに提供している。緩衝材や段ボール箱の在庫品種の削減、梱包作業の省人化、物流費削減などの効果がある。

 

■日本製紙

　「詰め替えパウチにかわる紙容器『SPOPS』（スポップス）」が、日本包装技術協会会長賞を受賞した。『SPOPS』は、シャンプーなどの液体製品で多く使用されている詰替えパウチに代わる、“差し替え式”の紙パック。ポンプを外して容器を差し替え、ポンプを戻すだけなので、詰め替えにかかっていた時間を短縮でき、また液体をこぼす心配もなく、パウチから中身を絞り出す手間もかからない。また、紙製なので従来のパウチ容器と比較してプラスチック使用量を削減できる。

 

■ダイナパック

【適正包装賞】「コピー機フィニッシャー用梱包EPS包装設計による合理化」…発泡スチロール（＝EPS）を使って梱包形態を小さくまとめ、コンテナ積載数を従来の2倍にしたほか、緩衝材を段ボールからEPSに変えたことで組み立て作業が不要になった。また、EPS包装部品は複数の製品に兼用できるよう設計。

【ロジスティクス賞】「チェーンソー台形箱」…外装箱を台形にして無駄なスペースや包材を省いた。パレット積載効率は従来の1.5倍。台形でも折りたためる形状に設計されており、追加部材も削減した。（ハスクバーナ・ゼノアとの共同出品）

【贈答品包装部門賞】「クラウンメロン中東向け紙器箱」…中東富裕層向け最高級メロンの箱。モスクの装飾をイメージしたパターン、カタールのソウルカラーのエンジ色、疑似エンボスの重厚感、ゴールドの輝きなどが特長。包装資材や台座の布貼りもメロン産地の袋井市で作り、地域復興に貢献している。

 

■東罐興業

【食品包装部門賞】「熱風・蒸気オーブンに使用可能な紙絞りトレー」…寸法変化が小さく、フタとの嵌合も可能なトレー。電子レンジ、オーブンレンジ、スチームコンベクションオーブンに使用可能。冷凍状態での強度もあり、常温・焼成・冷凍・解凍などに対応。樹脂トレーと比較し樹脂使用量を約80％削減。

【飲料包装部門賞】「Tokan withlid」…コーヒーチェーンなどで使われる飲料容器で、コールド飲料でもストローなしで直接飲めるリッドを開発し、トータル樹脂量を削減した。また、残液改善や使用感向上にも取り組んだ。

 

■大石産業

【日用品・雑貨包装部門賞】「まるいのまもるくん（円筒形割れ物製品の緩衝材）」…円筒形製品の包装に適した段ボール製の緩衝材。糊やテープが不要で、罫線とハーフカットが入ったシンプルな段ボール板を差し込むだけなので、作業性が向上し、内容物も箱の中心でしっかり保護できる。脱プラにも貢献。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future11/2号」より