リンテックはこのほど、使用済プラスチックの再資源化事業を展開する「㈱アールプラスジャパン」に資本参加することを発表した。

　アールプラスジャパンは、サントリーやレンゴー、大日本印刷、凸版印刷など、10社以上の企業が出資し、今年6月から事業を開始した共同出資会社。米国のバイオ化学ベンチャー企業であるアネロテック社（Anellotech Inc.）とともに、環境負荷の少ない効率的な「使用済プラスチック再資源化技術」の開発を進めている。

　ペットボトル以外のプラスチックは現在、国内ではその多くが燃焼されていると言われる。アールプラスジャパンが開発を進めるのは、ペットボトルを含む一般プラスチックを原料（ベンゼン・トルエン・キシレン・プロピレンなど）に直接戻すケミカルリサイクルの技術。

【従来の再資源化】・使用済プラスチック→・油化（熱分解）→・原料化（熱分解）→・再資源化

【新技術】・使用済プラスチック→・原料化（熱分解・触媒反応）→・再資源化

　このように新技術は、従来に比べて少ない工程で処理できるため、CO2排出量やエネルギー必要量の抑制につながり、また、より多くの使用済プラスチックを効率的に再資源化できるようになる。アールプラスジャパンでは、回収プラスチックの選別処理、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料・食品メーカーなど、業界を超えた連携により、2027年の実用化を目指している。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future11/23号」より