＝紙パの第2四半期・＝

　紙パ関連各社の2021年3月期第2四半期（2020年4～9月）の決算発表が始まった。順不同で紹介していく。以下、連結ベース、単位100万円、％表記の増減率は対前年同期比、〈　〉内は前年同期の実績値。

■王子ホールディングス

〔第2四半期〕

　売上高 652,423 （△14.2％）

　営業益 29,306 （△47.3％）

　経常益 22,097 （△57.0％）

　当期益 10,289 （△64.3％）

〔通期予想〕

　売上高 1,350,000 （△10.5％）

　営業益 70,000 （△34.0％）

　経常益   60,000 （△40.8％）

　当期益   35,000 （△39.8％）

　売上高は国内事業・海外事業ともに新型コロナの影響を受けた。海外売上高比率は前年同期を1.8ポイント下回る28.6％。営業利益も国内・海外ともに減益。

○生活産業資材…売上高は△9.5％、営業利益は△30.8％。段原紙・段ボール販売は外出自粛に伴い一部加工食品向けは堅調だったが、全体では減少。段原紙の輸出は増加。白板紙、包装用紙は国内・輸出ともに減少。子ども用おむつは、国内販売量は減少したが輸出が増加し全体も増加。大人用は減少。家庭紙は、キッチンタオルの販売量が増加したが、全体では前年並み。ウェットティシュ、マスクなどの加工品は大幅に増加。○機能材…売上高は△15.9％、営業利益は△25.9％。国内事業は特殊紙、感熱紙ともに販売量が減少。海外事業は、感熱紙が北米、南米、東南アジアで減少も欧州は増加。

○資源環境ビジネス…売上高は△21.6％、営業利益は△69.6％。パルプ事業は主に溶解パルプの中国向け輸出がコロナの影響で減少。エネルギー事業は売電量が増加。

○印刷情報メディア…売上高は△22.3％、営業利益は△76.3％。新聞用紙、印刷用紙、情報用紙、海外事業いずれも販売量が減少。

　通期予想は、8月発表の前回予想を修正した。修正額（単位100万円）は売上高△50,000、営業益△20,000、経常益△20,000、当期益△15,000。印刷情報用紙などの販売量が予想を下回ったうえ、海外のロックダウンで特別損失も発生し、2Q実績が予想を下回った。これに今後の販売動向を考慮し、下方修正した。

■日本製紙

〔第2四半期〕

　売上高 467,403 （△10.9％）

　営業益 3,971 （△73.9％）

　経常益 △2,128 〈15,361〉

　当期益 △8,048 〈9,645〉

〔通期予想〕

　売上高 1,000,000 （△4.2％）

　営業益 20,000 （△42.9％）

　経常益   12,000 （△60.7％）

　当期益   3,000 （△78.9％）

　新聞用紙・印刷用紙の需要急減のほか、豪州・ニュージーランドでの板紙パッケージ事業譲受に係る費用5,766百万円を計上したことなどにより、減収減益となった。

　なお、資産効率化のため4～9月で投資有価証券7銘柄を売却しており、この売却益58億円のうち、50億円を2Qに特別利益として計上している。また、日本製紙グループが保有する日伯紙パルプ資源開発の全株式を、2021年3月までに日伯紙パルプ資源開発に売却する予定で、これに伴う売却益85億円も、21年3月期中に計上する予定。

○紙・板紙事業…売上高は△17.0％、営業損益は△2,020百万円（前年同期は2,365百万円）。新聞用紙と印刷用紙は大幅に販売量が減少したが、新型コロナの影響は6月以降緩やかに回復基調。板紙は通販・宅配向けが堅調だったが、インバウンド消費・イベント関連・工業製品向けなどは低迷し、国内販売量は減少。

○生活関連事業…売上高は＋2.8％、営業利益は＋2.5％。ティシュやトイレットペーパーは前年度末の需要増の反動で販売量が減少。ハンドタオルやウェットタオルは堅調だったが、業務用のティシュやトイレットペーパーが低迷。液体用紙容器は、学校給食再開に伴う牛乳容器の回復や、新充填機設置による拡販、家庭用牛乳容器の堅調などにより、販売量は増加。

○エネルギー事業…売上高は＋1.0％、営業利益は＋6.8％。

○木材・建材・土木建設関連事業…売上高は△10.3％、営業利益は△4.6％。

　通期予想は、8月公表の前回予想から変更なし。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future11/23号」より