中越パルプ工業のセルロースナノファイバー『nanoforest』が、松尾ハンダ㈱製造のソルダペースト（ペースト状のはんだ）の添加剤として採用された。

　はんだは、エレクトロニクス製品の電子部品と電子回路をつなぎ合わせる部品接合部材として広く使われているが、近年の電子機器は高性能化、小型化、高出力化へ移行しつつあり、これに伴ってはんだ接合部における品質の要求が高まっている。はんだ接合部の代表的な品質特性としては、接合部の外観形状不良（ダレなど）、接合強度特性、内部欠陥（ボイド）、腐食などがあり、また、電子製品を長期的に連続使用する場面では、耐温度サイクル特性への要求も高まっている。

　『nanoforest』を添加剤として採用し、松尾ハンダが開発したソルダペーストは、金属粉の流動性および揮発ガス吸着性能などが改善し、○ダレ低減による外観形状不良の改善　○はんだ内部の金属結晶組織の微細化による接合強度向上　○流動性改善による内部欠陥（ボイド）低減などの効果が見込まれる。中越パルプ工業では、今後、高い品質を要求される電気自動車や各種精密機器などでの応用・実用化に期待を寄せている。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future12/14号」より