=中越パルプ工業=
業績予想を上方修正
中越パルプ工業は、昨年11月に公表した2021年3月期の通期業績予想(連結)を、次記の通り上方修正した。以下、単位100万円、前期は実績値。
前回 今回 前期
売上高 80,000 81,900 95,140
営業益 △1,450 △400 2,057
経常益 △1,600 △400 1,985
当期益 △2,100 △1,050 919
21年3月期予想については、コロナ禍で経済活動の落込みが続くと想定していたが、下期後半は需要の裾野が広い非塗工紙を中心に想定以上の販売量を確保し、売上高が前回予想を上回る見込みとなった。利益面は、販売増に伴い生産設備の稼働率が向上したことや、コスト削減などによる原価低減を推し進めた結果、損失額が圧縮される見込みとなった。
なお同社では、19年4月に休止した高岡工場5号抄紙機について、21年3月期で減損損失325百万円を計上する。同機は高級白板紙などを生産していたが(日産120t)、王子製紙との合弁会社、O&Cアイボリーボードに生産移管した後は休止しており、転用などを検討してきたが、現時点で使用の可能性がないため減損処理するもの。
=特種東海製紙=
業績予想を修正
特種東海製紙は、2月に公表した2021年3月期の通期業績予想(連結)を、次記の通り修正した。以下、単位100万円、前期は実績値。
前回 今回 前期
売上高 76,000 76,000 80,603
営業益 2,400 3,200 2,870
経常益 4,600 5,900 5,389
当期益 6,800 5,800 3,694
2月の前回予想では、コロナ禍で厳しい事業環境が続く反面、特定分野での需要回復など、利益押し上げ要因が見込まれたこと、また持分法による投資利益の見込みに変動があったことなどから、営業益と経常益を上方修正した。
今回は、特殊素材事業の海外向け一部製品の需要回復が前回の想定を上回ったこと、これに伴う生産量増加により工場能率の改善効果が見込まれること、生活商品事業のペーパータオルが前回の想定を上回って推移したこと、原材料に関わる低価法の評価損が昨年度に比べ減少する見込みとなったこと、経費および管理費の削減効果が引き続き見込めることなどから、営業益は前回予想を上回る見通し。また、産業素材分野の需要が堅調に推移し、持分法による投資利益の見込みに変動があったため、経常益も前回予想を上回る見通し。一方、当期益については、固定資産の減損損失の計上により、前回予想を下回る見通しとなった。コロナ禍での収益性低下に伴い、三島工場の一部、岐阜工場、連結子会社トライフの富士工場が保有する固定資産について、3,500百万円程度の減損損失を計上する見込み。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/17号」より