レンゴーは、段ボールと紙器製品を4月1日納入分から値上げする。上げ幅は10％以上。
　原燃料価格の高止まり、円安の長期化、物流コストの高騰、労務費の上昇、環境対策などさまざまなコストアップ要因に加え、同社では下請中小企業振興法に基づき、中小協力会社からのコストアップや賃上げに伴う価格改定の要請を受け入れており、こうしたバリューチェーン全体にわたるコスト構造の変化には、自助努力のみで対応するのは極めて難しいとして、値上げへの理解を求めている。あわせて、物流2024年問題に関する特別荷下ろし、休日や時間外の配送、待ち時間の解消、改善については別途、配送条件の変更、費用負担の相談をさせていただくとしている。

金津工場が「省エネ大賞」

　レンゴーは、金津工場の「板紙製造工場における生産性改善の取り組み」で、2023年度省エネ大賞の資源エネルギー庁長官賞（産業分野）を受賞した。
　同工場は17年10月、段ボール原紙生産設備（抄紙機）を中しん原紙専抄設備からライナ原紙も併抄可能な設備に改造し、その後はドライパートの乾燥効率アップ、製品の品質改善、ドライパートの乾燥能力強化および省蒸気により、生産性の向上と省エネ・省力化を図った。
　またレンゴーは、製紙部門全体でIoT活用プロジェクトを進めており、同工場でも断紙モニタリングシステムや回転体振動監視システム、ボイラ異常予兆検知システムなどを導入して効率化を推進。さらに、拠点倉庫活用によりトラック燃料削減と運転手の待機時間削減などの業務改善も行った。
　これらの取組みにより、金津工場は18年度比10.7％に当たる6,950/年（原油換算）のエネルギー削減、および拠点倉庫活用では3,089/年（原油換算）の燃料削減を達成。その実績が評価され今回の受賞となった。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future3/18号」より