日本製紙連合会の集計による2月の紙・板紙需給速報では、国内出荷が前年同月比6.2%増(紙4.0%増、板紙9.8%増)の205.4万tとなった。国内出荷は昨年12月からプラスに転じているが、量的には依然低調。2月も前々年同月との対比では15.7%減と10%を上回る落ち込み(紙18.5%減、板紙11.2%減)である。主要品種では、中・下級紙の不振が続く非塗工紙と衛生用紙を除きプラス。新聞用紙も08年9月以来のプラスとなった。
紙・板紙の輸出は2.2倍(紙2.2倍、板紙2.5倍)の10.6万tと拡大した。前年9月以降6ヵ月連続のプラスで、中国、韓国、台湾などのアジアとオーストラリア向けが中心である。
紙・板紙の生産は12.5%増(紙13.9%増、板紙10.3%増)の212.9万tと高い伸びを示した。前年が低調だったことの反動に加え、輸出の好調が原因。一方、紙・板紙の在庫は前月比3.1万t減(紙2.5万t減、板紙0.6万t減)となり、前月の増加から再び減少した。
品種別に見ると、印刷・情報用紙の国内出荷は前年同月比3.0%増の71万t。前年の需要低迷の反動で3ヵ月連続のプラスとなったものの、前々年同月比では24.5%減と20%を上回る落ち込みである。他方で輸出は2.3倍の8.4万t。主力の塗工紙を中心に7ヵ月連続のプラスで、前月の8.1万tを上回り過去最高を更新した。
板紙と包装用紙の国内出荷も、前年に低迷した反動からプラス(包装用紙18.4%増、段ボール原紙9.6%増、白板紙8.7%増)となった。包装用紙は合成樹脂など一部需要分野の回復もあり、前月に続き大幅な伸びを記録。段原紙は、前年4月の原紙値下げを前にした買い控えがあったため、前月を上回る伸び。白板紙は3ヵ月ぶりのプラス。ただし、いずれも前々年同月比ではマイナス(包装用紙15.0%減、段原紙10.7%減、白板紙7.3%減)が続いている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 4/12号」より