新生紙パルプ商事は、紙代理店としての新しい環境配慮スキーム「1%for PresentTree」の提案を行っている。ユーザーが購入する紙やフィルムなどの金額に1%を加算し、その1%分を特定非営利法人(NPO)環境リレーションズ研究所が運営する植林プロジェクト「PresentTree」に支援することで、森林を再生する環境貢献に参加しようというもの。
例えばユーザーの購入金額が500万円だとすれば、参加費用は5万円となる。この5万円分のPresentTreeが申し込まれ、1本5,000円分の場所へ植樹した場合、10本の森の育成が始まることになる。
PresentTreeは、市民参加型の植林プロジェクト。楽しみながら気軽に参加できるエコアクションという点が特徴。木を植える場所は、国内を中心に支援対策のニーズが高いところだ。植栽放棄地となってしまった南九州、度重なる山火事や風倒災害を受けている北海道、トキの営巣木を復活させなければならない佐渡など里山として保全すべきところ、そのような森林再生を必要としている土地を選び、紙の購入者に代わって木を選んで植林し、森になるまで見届ける。紙のユーザーの協力によって、植えられた1本の木がやがて森となり、そこに住む人、その土地や地球の未来への贈り物になるという夢がある。
取り組みに参加した企業・団体には、環境リレーションズ研究所の商標登録マークの表記が認められる。このスキームのポイントは以下の5点。
①自分の「貢献」が目で見える…シリアルナンバーで木を1本ずつ管理する。
②苗木だけでなく、森林再生の全体を見通している…最低10年間の保育管理を実施する。
③持続参加型である…万が一枯れた場合でも元気な木と交換する。
④市民参加型の広がりを強く意識している…自分の環境貢献を贈り物にできる。
⑤企業の参加により森林再生を加速させる…消費を通じた環境貢献である。
この取り組みに参加しているユーザー企業の1社に集英社がある。「週刊少年ジャンプ」で連載中の『NARUTO-ナルト-』(岸本斉史・著)のコミックス累計発行部数1億冊達成を記念した植林キャンペーンの実施が、5月31日発売の同誌で発表された。NARUTOにちなんだ数の7,610本の苗木を2011年5月までに植樹し、山梨県笛吹市に「ナルトの森」を作り上げるプロジェクトである。応募者には、特製の植林証明書が届けられる。
このように紙を消費するユーザーからの基金のような形で植林が広まれば、新たな形態の森林再生につながりそうだ。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 6/21号」より