オムロンの特例子会社、オムロン京都太陽㈱はこのほど、高齢・障害者雇用支援機構が主催する障害者雇用職場改善好事例募集(後援:厚生労働省)で、最優秀賞に当たる「厚生労働大臣賞」を受賞した。
オムロン京都太陽は、オムロンと社会福祉法人・太陽の家が共同出資して1986年に創業を開始した、工場自動化用制御機器の生産工場。重度の障がいのある社員が中心となり、自らのアイデアや工夫でさまざまな製品の組み立てや生産管理、品質管理を行っている。
今回の受賞は、上肢などに障がいのある社員の特性に応じた改善活動によって、各生産工程における作業負担を軽減し、作業効率を大幅に向上してきたことが評価されたもの。例えば、製品に品名ラベルを誤差1㎜以下で貼り合わせる作業工程では、片手でズレなく正確に作業が行える治具を製作することで、上肢に障がいのある社員が従事することを可能にした。また、生産品目約400種類に対応するため、作業マニュアルの差し替えを1日に何度も必要とする組み立て工程では、すべての作業マニュアルを電子データ化し、瞬時にパソコン上に呼び出せるようにした。
オムロン京都太陽は創業以来、障がいのある社員の特性に応じ、その能力を活用することで、社員が生きがいを持って働ける環境づくりに取り組んでいる。作業環境の改善や治工具・補助機器の導入を進め、独創的なものづくりの方法を生み出してきた。これまでに製作した治具・補助機器の数は500以上に上る。こうしたことから、オムロン京都太陽には毎年、世界中の企業や団体から2,000名を超える見学者が訪れている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 10/11号」より