住友林業は10月から、住宅展示場の運営によって排出されるCO2の全量を、自社社有林で取得したオフセット・クレジット(J-VER)を使って相殺する。
J-VERとは、環境省の「オフセット・クレジット制度(J-VER制度)」に基づいて発行される排出権。国内で実施した温室効果ガス削減・吸収活動から生じた排出削減・吸収量が排出枠として認証され、自社の事業活動で排出するCO2のオフセットなどに活用できる。まだスタートして2年足らずの新しい制度だが、製紙業界では王子製紙が取得している。
住友林業では昨年7月、オフセット・クレジット制度の「持続可能な森林経営促進型プロジェクト」で、宮崎県山瀬地区の社有林を対象とした「住友林業社有林管理プロジェクトⅠ」が「持続可能な森林経営促進型」の第1号として登録された。今回の住宅展示場のカーボン・オフセットは、これで取得したJ-VERを活用したもの。
同社の住宅展示場(全国290棟)が電気、ガスなどの使用によって排出するCO2量は年間約2,900t。この全量を、クレジットが発行される2013年度末まで3年半にわたり相殺する。また、発行済のJ-VERクレジットで不足する分は、新規にクレジットを取得する予定。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 11/15号」より