大王製紙は、ロシアのAutoterminal社がベビー用紙おむつ『GOO.N』を並行輸入しようとしたことに対して、商標権侵害による差止め訴訟を起こしていたが、このほど沿海地方仲裁裁判所(ウラジオストク)が、大王製紙の主張を認める輸入差止めの判決を下した。ロシアで真正商品の並行輸入を差し止める判決が出たのは、日本企業では初めてという。
Autoterminal社は『GOO.N』の正規輸入権利者ではなく、並行輸入業者の一つ。ロシアでは、並行輸入業者が正規代理店と錯覚させるような販売サイトを立ち上げたり、一時的に安価に商品を供給したりする問題が生じており、また過去の判例から、訴訟になれば並行輸入行為が商標権侵害と見なされる可能性が高かった。
そこで大王製紙は今年3月、Autoterminal社を相手取り「輸入・販売またはロシア国内における市場流通の禁止」を求める民事訴訟を起こしていたもの。
日本では、正規品の並行輸入は合法というのが通説だが、今回のロシアの判決では、「真正商品だとしても大王製紙の同意なく輸入し、販売する行為は商標権侵害に当たる」という判断がなされた。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 10/3号」より