大王製紙は、連結子会社から元会長・井川意高氏への貸付金が判明した問題で、特別調査委員会を組織し調査を進めてきたが、10月28日、その結果を発表した。
それによると、元会長が融資を受けたのはダイオーペーパーコンバーティング、エリエールペーパーテック、大宮製紙、いわき大王製紙、赤平製紙、エリエールテクセル、富士ペーパーサプライの7社。2010年5月12日から11年9月6日までの間に計26回の貸付けが行われた。総額では、106億8,000万円に上る。
このうち47億5,000万円は返済済みで、返済の内訳は現金が18億700万円、株式譲渡による返済が29億4,300万円。未返済分については、今後も全額の返済を求めていくとしている。貸付金の使途はまだ判明していないが、引き続き調査を継続し、今後の調査結果を踏まえた上で告訴・告発の手続きもする考え。同時に、佐光正義社長を委員長とする「企業統治改革委員会」を立ち上げて、再発防止に向けた取組みを開始する。
なお大王製紙では、今回の調査結果を受けて次の社内処分を発表した。
①魚田敏夫常務-経理、財務担当の辞任
②井川高博取締役の「特命担当兼関連事業担当」解任と減俸(減俸額と期間は社長一任)
③役員報酬の減額および自主返上(10月分から3ヵ月)…▽代取社長:減俸50%▽専務:同30%▽常務1名:同30%▽常務2名:同10%▽取締役1名:同30%▽取締役2名:同20%▽取締役3名:同10%▽常勤監査役2名:自主返上10%▽社外監査役3名:同5%
④井川高雄顧問の解嘱
株式会社 紙業タイムス社 「Future 11/21号」より