日本製紙連合会は来る12月12日(月)~16日(金)の5日間にわたり、第3回目となる「中国を対象とした古紙回収システム研修会」を東京都内で開催する。
2008年に大阪で開催された第1回アジア林産品産業会議で、中国の古紙購入行動に対する懸念が各国から表明されたのを機に、域内の古紙需給バランスを改善するための施策として各国、とりわけ最大の人口を抱える中国における回収率向上の必要性が提起された。これを受けて製紙連は、経産省が主管する海外技術者研修協会(AOTS)の制度を利用して、09年に中国の製紙および古紙回収会社を対象とした上記研修会を初めて開催、昨年は第2回目が開催された。
今年の研修会は過去2回の集大成として、中央政府および大手製紙メーカー、回収会社を対象とした研修会とする。具体的には、中国の回収率向上に実際的な影響力を持つ要人に参加者の対象を絞ることで、研修の効果をより確実なものにしたいと製紙連は説明している。
参加人数は中国政府関係者5名、業界団体関係者2団体3名、製紙メーカー5社5名、古紙回収会社3社3名の合計16名。このうち製紙関係では理文造紙、中国紙業投資、東莞金州紙業、山東泰和建材、福建連盛紙業の各社から経営のトップクラスが参加する予定。
会場はAOTS東京研修センター(東京都足立区千住東1-30-1)で、主な日程は次の通り。
<12月12日(月)>午前…▽オリエンテーションと開講式 ▽講義:日本製紙産業の歴史と現状(製紙連) 午後…▽講義:製紙会社の古紙利用と調達の現状(王子エコマテリアル)▽段ボール古紙の現状と課題(レンゴー)
<13日(火)>午前…▽講義:古紙直納問屋の歴史と現状(全国製紙原料商工組合連合会)▽講義:古紙回収業界の歴史と現状(日本再生資源事業協同組合連合会) 午後…▽見学:日本大昭和板紙・草加工場▽見学:古紙ヤード(全原連)
<14日(水)>午前…▽講義:紙リサイクルの現状(古紙再生促進センター)▽講義:日本の紙パルプ産業と紙リサイクル政策(経産省紙業服飾品課) 午後…▽講義:日本のリサイクル政策全般(経産省リサイクル推進課)▽講義:自治体の廃棄物対策(東京都環境局)
<15日(木)>午前…▽講義・実地見学:行政回収の現状と集団回収見学(東京都足立区) 午後…▽発表会準備
<16日(金)>▽研修成果発表会 ▽日本側識者と回収率向上の施策に関する意見交換
株式会社 紙業タイムス社 「Future 11/21号」より