インドネシア林業省は、APP(アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ)およびスマート社の支援を受け、絶滅が危惧されているオランウータンの保護に向けた環境保全プログラムを策定するため、オランウータン基金インターナショナル(OFI)と協力関係に入る。
“オランウータンの友達”と称する2年間のこのプログラムでは、生後まもなく捕獲されたオランウータン40頭を野生の生息域に戻すことと、OFIの動物愛護センターで飼育されているオランウータン330頭が快適に暮らせるようにするための支援を行う。OFIは野生のオランウータンと熱帯雨林の生息域の保護に取り組んでいる非営利団体で、ビルーテ・メアリー・ガルディカス博士により1986年に設立された。
OFIとAPPの協力の中には、APPのスタッフやそのパルプ材供給会社の従業員を対象とした、オランウータンの保全を焦点とする持続可能な森林管理についての教育も含まれている。APPの持続可能性・ステークホルダー担当役員であるアイダ・グリーンベリー氏は、「このプログラムは、オランウータンとその生息域の保護ということだけでなく、パルプ材植林地の持続可能な管理や、社会、環境、経済的要求事項の調和といった当社のビジョンにも沿っている。APPは、オランウータンの長期的な保護を支援するために、NGOや教育センターと協力してきた。例えば現在はオランウータンの救済を支援している。また、オランウータンの生息域拡大につながる、東カリマンタンのクタイ国立公園とその他の保全地域を結ぶ野生生物の回廊の設立も支援している」と話した。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 1/2号」より