＝王子製紙＝ コスト削減強化するも通期予想は下方修正
王子製紙は12年3月期の第3四半期決算（11年4～12月）を、次の通り発表した（連結。単位：100万円。カッコ内は対前年同期比）。
〔第3四半期業績〕
売上高 920,648 （＋3.9％）
営業益 48,557 （▲4.7％）
経常益 37,849 （▲16.7％）
当期益 19,090 （▲19.0％）
〔通期業績予想〕
売上高 1,240,000 （＋5.1％）
営業益 63,000 （▲3.7％）
経常益 51,000 （▲15.3％）
当期益 24,000 （▲2.5％ ）
アジア需要の取り込みに向け、海外事業拠点の取得を着々と進める一方、国内では4月に富士地区で抄紙機２台を停止したほか、10月には富士工場を王子板紙に移管し、コストダウンを進めた。
販売状況については、段ボール原紙は飲料・加工食品関連の堅調に加え、11月に実施した価格修正前の駆け込み需要もあり、前年を上回った。白板紙も高板、特板、コート白ボールともに前年を上回った。包装用紙は国内は減少したが輸出はプラス。一方、洋紙は新聞用紙、印刷用紙ともに前年割れ。家庭紙は、ティシュは増加したがトイレットペーパーは減少、紙おむつはベビー用、大人用ともに減少した。
通期予想は、前回発表時（11月）にはコスト削減の進捗と円高により営業利益を上方修正したが、今回は売上高および利益の全段階で下方修正している。内需不振の長期化に加え、タイ・カンボジアの洪水で工業用途の需要が減少したことや、欧州債務危機で海外経済が減速したことから輸出が低調なため、販売状況は想定以下のレベルで推移。また、営業外損益ではパルプ市況の軟化から持分法投資利益の減少が見 込まれている。
レンゴーは12年3月期の第3四半期決算（11年4～12月）を、次の通り発表した（連結。単位：100万円。カッコ内は対前年同期比）。
〔第3四半期業績〕
売上高 376,059 （＋2.6％）
営業益 22,654 （▲19.9％）
経常益 22,376 （▲18.1％）
当期益 11,953 （▲19.2％）
〔通期業績予想〕
売上高 490,000 （＋3.2％）
営業益 31,000 （▲4.3％）
経常益 30,000 （▲3.8％）
当期益 16,000 （＋55.5％）
原燃料価格が高騰する中、古紙・板紙・段ボールが三位一体となったリサイクルシステムを維持し、製品の安定供給を継続するため、昨秋に価格修正を打ち出した。板紙はほぼ予定通りの水準で決着し、段ボール製品については現在、得意先との交渉を継続している。また、震災で壊滅的な被害を受けた仙台工場については、予定通り黒川郡大和町の仙台北部中核工業団地で、3月開業に向け新工場を建設中。
事業別の収益状況は、板紙・紙加工関連は前年並みの売上げを維持したものの原燃料高が響いて減益。軟包装関連は原料調達の一時的な滞りにより減収となったが、コスト削減効果で増益。重包装関連は、売上高は前年並みだったが固定費増加などにより減益。海外関連は中国で連結子会社が増加したため増収となったが、原材料価格の上昇で減益だった。なお通期予想については、昨年5月公表時の予想を変更していない。
