三菱製紙はこのほど、産業用インクジェット(=IJ)ヘッドに対応した銀ナノ粒子インクと印刷用専用シートを商品化した。
産業用IJヘッドとは捺染、印刷、建材加飾、ディスプレイ製造などの産業用途に使用される、大型で耐久性の高いIJヘッド。今後、印刷エレクトロニクスへの利用が期待されている。同社が開発したインクと印刷用専用シートを使えば、印刷するだけでRFID(無線識別)カードのアンテナや各種センサー電極などを簡単かつ高速に製造できる。
銀ナノ粒子インクは、三菱製紙が開発した環境に配慮した水系インク。同社では今後、京セラのIJヘッドに対応したインクの販売を開始するほか、米国のFUJIFILM Dimatix, Inc.社製の研究・開発用途向け高性能産業用IJプリンターに対応したインクも、トライアルキットとして提供を始める。
印刷用専用シートは、ポリエステルフィルムまたは耐水紙をベースに特殊なIJ受像層を設けたもので、ヘッドの性能を最大限活かした高精細印刷を可能にする。また描画後の乾燥が不要で、形成されたパターンは曲げやこすりに対しても剥がれや割れが生じにくいように設計されている。ロール、カットシートのいずれも供給可能。
なお三菱製紙は、5月3日からドイツのデュッセルドルフで開催されたDRUPA2012に同製品を出展した。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/14号」より