山櫻は今後、主たる取扱製品の封筒でFSC認証紙の使用ウエイトを順次高めていく。企業姿勢として「環境への配慮」(市瀬豊和代取社長)を具体的に示そうとした商品戦略と言えるが、市瀬社長によるとすでに同社の半更茶封筒は「ほぼすべてFSC認証紙化している」という。また白封筒についても近々に「FSC認証紙に全面的に切り替える」と説明している。
こうした方針について市瀬社長は、かつての古紙配合率偽装問題が環境対応を考え直す一つのきっかけになったと述べ、「人類にとって紙なしの生活は成り立たない。紙といかに向き合うかを考えねばならない。そのためには森林についてもっと勉強し、うまく共存していくことが重要ではないか」と述べた。
併せて同社は、WWFジャパンの古澤千明氏を招いてセミナーを催した。古澤氏は「いま普通に使っている紙が調達できなくなる日」と題して講演。FSC認証製品と世界の森林資源の実情について、とりわけスマトラ島の森林減少を例に取り上げるとともに、「どうすれば自然の森の破壊に加担することのない事業活動ができるか」を提案した。
株式会社 紙業タイムス社 「Future9/3号」より