経済産業省と総務省はこのほど、2012年2月に初めて実施した「経済センサス-活動調査」の速報結果を公表した。
「経済センサス-活動調査」は、日本における全産業分野の売上金額や費用などの経理事項を同一時点で網羅的に把握する唯一の統計調査。これまでの産業統計は、第3次産業の統計整備が不十分だったり、産業ごとに調査時期が違うなどの問題があったが、経済センサス-活動調査では全産業を同一時点で調査する。製造業の復活と高付加価値型サービス産業の育成に取り組む上で重要な基礎データとなり、多方面での活用が期待されている。
速報結果によると、日本の全産業の売上高は1,302兆2,523億円、付加価値額(売上高と費用から算出)は242兆6,658億円だった。産業大分類別に付加価値額を見ると、「製造業」が全産業の21.9%と最も多く、次いで「卸売業、小売業」が17.5%、「金融業、保険業」が12.9%だった。また、第3次産業が全産業の71.8%を占めた。
事業所数は580万4,223事業所で、09年7月に行った基礎調査と比べると6.4%の減少、従業者数は5,632万4,000人(同△3.6%)だった。この2年半で17産業のうち16産業で事業所数、従業者数がともに減少していた。唯一増加した産業は「医療、福祉」で、事業所数が+2.4%、従業者数が+11.1%だった。また、09年の基礎調査と比べて事業所数の減少率が高かった県は、東日本大震災による被害が大きかった東北3県で、福島県が△11.2%、宮城県が△11.0%、岩手県が△9.1%だった。
同調査の今後の公表予定については、製造業における業種別、従業者規模別、都道府県別の事業所数、出荷額、付加価値額を3月に公表する予定。また8月以降に順次、各産業ごと(例:「卸売業、小売業」)に業種別(約1,400業種)、地域別の売上高、従業者数、産業固有の特性事項(例:「卸売業、小売業」における売場面積)などの結果を公表する。なお、製造業については、業種別(約550業種)、品目別(約1,800品目)、都道府県・市区町村別などの、より詳細な結果も公表する予定。
株式会社 紙業タイムス社 「Future2/18号」より