日本製紙は紙だけでなくバイオケミカル分野でも多彩な製品を開発しているが、そのひとつであるオリゴ糖製品『サンセロビオ-K』について、栄養病理学研究所との共同研究により、新たな可能性が確認された。『サンセロビオ-K』の摂取が、腸内細菌によるイソフラボンからエクオールへの変換を促進する可能性のあることがわかったもの。
エクオールは、女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをすることから、更年期症状の緩和、骨粗鬆症の予防と改善、乳がん予防、高血圧などの生活習慣病への効果が期待されている成分。また、北海道大学との共同研究では、アレルギー性の接触皮膚炎の炎症を抑制する可能性も見出した。
『サンセロビオ-K』の主成分は、木材セルロースを原料として酵素分解・結晶化したセロビオースという糖質。ヒトの体内では分解されにくい難消化性オリゴ糖で、食品原料として健康食品を中心に幅広く使用されている。これまでに、各種研究機関との共同研究などで次のような効果が確認されている。
○吸湿性が非常に低く安定性が高い(ハンドリング性が良好)
○整腸作用がある
○腸内の善玉菌を増やす
○脂質代謝改善の効果
なお、研究成果の詳細はwebサイト(http://www.npchem.co.jp/product/cellooligo/pdf/cello-biose_005.pdf )で見ることができる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/24号」より