食品加工処理と紙容器充填包装システムの世界的大手、テトラパック社は去る6月26日付で、南北米最大のプラスチックメーカーであるブラスケム社(本社:ブラジル、サンパウロ)とブラジルにおける紙容器用バイオプラスチックの供給契約を締結。テトラパックのブラジル包材工場に、サトウキビ由来の低密度ポリエチレン(LDPE)の供給を受けることになった。
ブラスケム社はブラジル、米国、ドイツなどに36工場を有する大手化学メーカーで、年間1,600万tを超える熱可塑性プラスチックをはじめとする石油化学製品を製造している。また世界最大のバイオポリマーメーカーとして、サトウキビ・エタノールを原料とするポリエチレンを年間20万t生産する能力も有している。
サトウキビ由来のエタノールからエチレンを製造し、そこからさらに転換されたLDPEは、化石資源から作られたLDPEと同様の特性を持ちながら、リサイクルが可能で温室効果ガス削減という環境的利点を兼備している。
テトラパック社では2014年1~3月期からこの取組みを開始、試用期間中はブラジルに限定してバイオ由来のLDPEを使用した紙容器を製造する。ブラジルでは年間約130億パックのテトラパック容器が生産されているが、従来のLDPEからバイオ由来のLDPEに置き換えることにより、容器に占める原料の再生資源比率を82%まで高めることができるとしている。
同社グループのデニス・ヨンソン社長兼CEOは「100%再生可能な原材料だけを使用した容器を開発するという当社の目標に向けた、さらなる一歩だ」とコメントしている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future7/29号」より