経産省は先頃「新興国における課税問題の事例と対策」を作成、9月9日から同省のホームページに公開している。
日本の企業が多数進出する新興国では、当該国が自国産業の育成や外貨の獲得を目的に、自国外の企業に対して移転価格課税やPE(パーマネント・エスタブリッシュメント=恒久的施設)認定などにより、実態と乖離した強引な税務執行を行うことがあると言われる。この場合、わが国の課税との競合が発生し、国際的な二重課税が生じる可能性もある。
そこで新興国への進出を視野に入れている日本企業に向けて、進出先国で発生している課税問題を周知するため、ホームページで海外展開の際の税トラブルの事例と対策を紹介することになった。
ホームページで取り上げられているのは中国、インド、ブラジル、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシアなど。これらの国々の移転価格課税やPE認定などに関する課税事案の具体例を紹介するとともに、日本の企業として取るべき対応方策および各種支援窓口を掲載している。
新興国への日本企業進出の際の財務リスク対策と、日本企業の海外展開ならびにわが国への資金還流円滑化の促進に役立ててもらう。
URL http://www.meti.go.jp/publication/、パンフレット。
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/14号」より