三菱製紙はこのほど、かねて都市再生機構と係争中だった損害賠償請求訴訟で、和解金20億円を支払うことで決着した。
機構が損害賠償を請求していたのは、三菱製紙から購入した中川工場跡地(東京都葛飾区、18万2,155㎡)について。両者は2001年に同跡地の売買契約を締結し、04年に引渡しを完了したが、機構側は10年3月、ここに地中障害物があるとして土壌処理工事費用の賠償を求めて提訴した。損害賠償請求額は、13年6月に機構が請求の拡張を申し立てた分も含めて、80億8,043万7,640円および附帯する遅延損害金となる。
三菱製紙は当初、「義務はすべて履行しており当社に責任はない」としていた。しかし訴訟はすでに3年以上経過しており、今後も継続した場合の負担を勘案すると、早期解決を図るのが合理的と判断し、和解に応じたもの。和解の内容は次の通り(要旨)。
①三菱製紙が機構に和解金20億円を支払う。
②機構は三菱製紙に対するその余の請求を放棄する。
③訴訟の対象となった土地に関する債権債務は、上記和解金の支払義務以外にはない。
④訴訟費用は各自負担。
なお和解金の20億円は、14年3月期第2四半期決算で特別損失として計上する。
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/11号」より