＝紙パの4～9月期＝

　紙パ関連企業の第2四半期（2013年4～9月）決算発表が始まった。以下、先に発表があった王子ホールディングスと共同紙販ホールディングスの業績を紹介する。数値は連結ベース、単位100万円、（　）内は対前年増減率、〈　〉内は前年同期の実績値。

【メーカー】

●王子ホールディングス

〔第2四半期〕

　売上高 642,649 （＋6.3％）

　営業益 26,522 （＋21.1％）

　経常益 31,499 （＋84.8％）

　当期益 15,876 （＋88.5％）

〔通期予想〕

　売上高 1,340,000 （＋7.9％）

　営業益 63,000 （＋20.3％）

　経常益 58,000 （＋6.3％）

　当期益 30,000 （＋17.2％）

　円高是正で景気の改善が見られるものの、欧州の低迷や新興国の成長鈍化など、経済全体としては不透明な中、海外事業の拡大、産業用フィルムなど機能材製品群の生産増強、最適生産体制の構築、発電事業の強化といった事業構造転換を進めている。各セグメントの販売状況は次の通り。

○生活産業資材…セグメント全体の売上高は前年同期比△1.0％。段ボール原紙・段ボールは、飲料・青果物向けなどの堅調により販売量は増加したものの、市況軟化のため売上は前年を下回った。その他は、全体として需要不振などにより減少。海外事業は東南アジアで段ボール原紙が堅調に推移し、段ボールも飲料・加工食品関連を中心に堅調。

○印刷情報メディア…前年同期比△4.1％の減収。新聞用紙は部数が漸減する中、前年はロンドン五輪で増頁があったため、その反動からページ数も減少し前年割れ。印刷・情報用紙は円安に伴う輸入紙の減少などにより販売量は増加したものの、市況軟化で売上は減少。

○機能材…前年同期比＋12.9％と増収。特殊紙は既存製品群の需要低迷で国内は減少したが、輸出は新規顧客開拓と電気材料の好調により増加。感熱紙も、国内は横ばいだったが輸出は増加。海外事業は、感熱紙が北米・南米の旺盛な需要により大幅増となり、欧州・アジアでも堅調に推移。

○資源環境ビジネス…前年同期比＋70.6％の増収。国内はパルプ、木材ともに増加。海外も、ニュージーランド子会社で漂白機械パルプの生産が本格化し、12年度に連結化したブラジル子会社の業績寄与もあって、パルプ販売が増加。木材もニュージーランド子会社での販売が増加した。

【紙流通】

●共同紙販ホールディングス

〔第2四半期〕

　売上高 8,434 （△0.3％）

　営業益 78 （＋21.3％）

　経常益 101 （＋35.1％）

　当期益 84 〈前期△29〉

〔通期予想〕

　売上高 18,000 （＋3.0％）

　営業益 200 （△1.3％）

　経常益 200 （△3.9％）

　当期益 180 （＋3.0％）

　全般的に紙の需要が伸び悩む中にあって、印刷用紙および情報用紙の適正価格販売を主眼にした販売活動に取り組み、あらゆるニーズにきめ細かく対応した。この結果、売上高は前年同期をわずかに下回ったが、販売数量は前年同期を上回った。

　利益面では金融コストの圧縮に努める一方、紙卸商の本分ともいえる小口の商売を大切にし、加工や迅速なデリバリーに注力したことにより、増益となった。

 

＝レンゴー＝業績予想を修正

　レンゴーは、第2四半期（2013年4～9月）の業績予想を次の通り修正した（数値は連結ベース。単位100万円。「前期」は前年同期の実績値）。

●第2四半期

前回 今回 前期

売上高 252,000 257,000 251,215

営業益 12,000 9,800 13,541

経常益 12,000 10,800 13,302

当期益 6,500 7,300 5,253

●通期

前回 今回 前期

売上高 503,000 520,000 502,625

営業益 24,000 20,000 23,890

経常益 24,000 20,000 24,236

当期益 13,000 12,000 12,956

　夏の猛暑による飲料向けを中心とした需要増が寄与し、売上高は前回予想を上回る見込み。営業・経常利益は製品価格の軟化や原燃料高の影響により前回予想を下回る見込み。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future11/25号」より