富士市は4月から、富士市、市内26地区、古紙回収業者の3者による「協働型古紙回収制度」を開始した。回収量に応じて各地区に報奨金が支給されるほか、市況悪化時でも古紙回収が安定的に継続できる仕組みを整える。
新制度では、市は回収業者に委託料を支払わない代わりに、古紙売渡金の請求も行わない。古紙の売上げは原則として全額回収業者の収益となる一方、市はこれまで払っていた委託料を削減できる。これによって浮いた経費を使い、古紙市況の低迷時には回収業者に支援金を、各地区には回収量に応じて報奨金を支給する。また古紙市況が好況で、回収量が一定基準を超える時には、回収業者は利益の一部を地域に還元する。
近年は、民間事業者が設置する古紙回収ボックスの増加などにより、行政が行う集積所での回収量が減っている。これに伴って市が得る古紙売渡金も減少し、逆に回収業者への業務委託料がコスト増へとつながっていた。しかし高齢者や移動手段のない人には、自宅に近い集積所は不可欠であり、集積所での回収を続けるため、富士市は今回の新制度を構築した。これにより、古紙回収にかかるコストを圧縮する。
株式会社 紙業タイムス社 「Future4/21号」より