王子グループは、2016年1月の営業開始を目途にベトナムで段ボールの新工場を建設する。総投資額は約30億円。
事業構造転換を推進している王子グループでは、「海外事業のさらなる拡大」をその大きな柱の一つとして掲げ、とりわけパッケージング事業については、経済成長を続ける東南アジアおよびインド地域での積極的な事業展開を進めている。インドで今年7月に稼働した段ボール工場を含め、同地域ですでに20ヵ所に工場を所有、また来年5月にはミャンマーで新工場が稼働する予定だ。
王子グループのベトナムでの操業は2000年からで、南部のドンナイ省、北部のハイフォン市とバクニン省の3ヵ所に、段ボール製造拠点と昨年買収した紙器加工のUnited Packaging (UP)社を合わせた計4製造拠点を有しており、今回の新工場はベトナム国内で5番目の製造拠点となる。建設予定地は南部のホーチミン市街中心部から北西へ約40kmのビンズオン省VSIP-II工業団地内で、王子ホールディングス100%子会社であるOjitex (Vietnam) Co., Ltd.の第二工場となる。生産能力は段ボール製品4,200万㎡/年。
ベトナム南部は、ベトナム経済の成長に加えて東西経済回廊と南部経済回廊に接する地理上のメリットや、豊富な労働力などにより、各種製造業の進出が加速し包装資材の需要が増加している。また、東南アジア諸国のパッケージング市場では、多彩な表面印刷が好まれる傾向があり、段ボール製品についても美粧化の要求が高まってきている。王子グループではこの市場ニーズに応えるべく、新工場には美粧印刷機を導入し、UP社のオフセット事業と合わせ、ベトナム南部地域のユーザーニーズに即した包装資材を提供していく。
株式会社 紙業タイムス社 「Future12/15号」より