テトラパックはこのほど、植物由来の再生可能な資源だけで作られた紙容器『テトラ・レックス』が、フィンランドの乳業メーカー、バリオ社の製品に採用されたと発表した。同製品は、1月中旬からフィンランド国内の小売店で販売が開始されている。『テトラ・レックス』が実際の製品に採用されたのは、これが世界初。
バリオ社は、バイオベースの紙容器『テトラ・レックス』を使用したバリオ・エイララクトースフリー低脂肪乳飲料を、3月中旬までフィンランド国内の小売店で試験販売する。その後、消費者からのフィードバックをもとに、より広範囲なチルド製品への導入を決定する予定。
テトラパックの『テトラ・レックス』は、植物由来のプラスチックと原紙のみで作られた紙容器。包材のラミネート加工に使用するフィルムと開け口の首の部分に使われる低密度ポリエチレン、そしてキャップに使われている高密度ポリエチレンのすべてがサトウキビから作られており、これらのプラスチックは、FSC認証を受けた原紙と同様に、トレーサビリティが確立されている。
製品ラインアップと事業活動のすべてで環境負荷削減に取り組んできたテトラパックにとって、今回の採用は重要な節目であり、同社では、「テトラパックが開発した100%再生可能な資源を使用した容器が店頭に並んだことは非常に感慨深い。テトラパックは長年にわたって、容器に含まれる再生可能な資源の割合を高めてきた。今後も、100%再生可能な資源の利用というコンセプトを、当社のほかのパッケージに広げていく」とコメントしている。
また、バリオ社のマーケティングディレクター、エッリ・シルタラ氏は、「バリオでは、再生可能な資源から作られた包材の利用を推進しており、イノベーションと環境への責任に関して、テトラパックとビジョンを共有している。世界に先駆けてわが社の製品を100%再生可能な資源を使用した紙容器で提供できることを誇りに思う」と語っている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future2/9号」より