日本印刷産業連合会(日印産連、稲木歳明会長)は6月10日、東京都内のホテルで第30回定時総会を開催。稲木会長が議長となって、①2014年度事業報告ならびに決算報告、②2015年度事業計画ならびに収支予算、③会費規則の改定、④一部役員の選任など4議案について審議し、いずれも満場一致で承認した。
2015年度の事業計画で注目されるのは、日印産連が前年度から検討・策定を進めてきた「グランドデザイン」。これは印刷業界の全国団体として新時代の活動方針となるもので、従来の活動や組織、予算などを抜本的に見直し今後の団体の役割を再構築した。
グランドデザインでは、特に印刷産業の社会的責任(SR)を果たすことを強く謳っており、「誠実な行動を基軸に印刷産業ならではの技術や製品を提供することで、わが国の産業発展へ貢献し、広く社会から信頼を得ること」として、社会的責任遂行に寄与するための活動を日印産連の事業目的に掲げた。
そして決して単年度で完了する取組みではなく、本年度はあくまで “グランドデザイン元年”と位置づけている。さらに印刷産業のSRにいわば裏付けを与えるべく、国連が提唱する「グローバルコンパクト」に賛同表明したが、業界団体としてグローバルコンパクトに賛同するのは日印産連が初めてという。
このほか、グランドデザインの中には印刷産業の果たすべき役割として、新たに「ミッション・ステートメント」を制定し盛り込んだ。このミッション・ステートメントが業界団体として共有すべき価値観、行動指針となる。
【ミッション・ステートメント】
われわれ印刷業に携わるものは、印刷事業を通じて常に新しい価値創造に邁進し、豊かな情報文化、生活文化を実現することで持続可能な社会の発展に貢献する。そのために、われわれは常に「印刷」の可能性を見つめなおし、新しい事業領域の拡大、奥行きの深耕、そして新しい技術開発に挑戦し続ける。
なお今回の総会と総会後の理事会で、旧役員の退任に伴い、次の新役員が選任された。
▽常任理事(新任)=田村壽孝〈日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会〉、田中浩一〈全日本シール印刷協同組合連合会〉、吉見正彦〈全日本スクリーン・デジタル印刷協同組合連合会〉▽退任=小林博美〈日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会〉、小宮山光男〈全日本シール印刷協同組合連合会〉、吉田弘〈全日本スクリーン・デジタル印刷協同組合連合会〉
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/29号」より