日本製紙はこのほど、北海道上川総合振興局南部耕地出張所および北海道農業近代化技術研究センターとの共同により、第31回農業土木新技術検討報告会で「再生骨材(焼却灰固化体)の暗渠疎水材としての適性評価」を発表、北海道農業土木協会賞奨励賞を受賞した。同賞は、北海道の農業農村整備事業の推進と農業土木、事務および技術の向上に大きな実績があり、寄与した者または寄与すると認めた者に贈られる賞。
再生骨材とは、解体したコンクリート塊などを原材料とし、破砕、磨砕、分級などの処理を行って製造されたコンクリート用骨材(コンクリートやアスファルト混合物を作る際に用いられる材料)。日本製紙の北海道工場旭川事業所では、バイオマスボイラーから排出される焼却灰をセメントで固めて再生骨材を製造しており、それらは道路の凍上抑制層(凍結防止のために路床に敷かれる層)などに使用されている。これまで、再生骨材が暗渠(地下に埋設された水路)の疎水材として使用された実績はなかったが、上川総合振興局南部耕地出張所が主体となり、再生骨材の有効活用と暗渠整備費削減のため、再生骨材の暗渠疎水材としての適性調査を実施(2012年~14年)、日本製紙は旭川事業所で製造した再生骨材を提供した。その結果、再生骨材は現行の木材チップと同等以上の排水能力を持つこと、また排水の水質や作物収量などにも影響しないことが確認できた。この調査結果を受けて、今年7月から暗渠疎水材として再生骨材の出荷を開始している。
株式会社 紙業タイムス社 「Future9/28号」より