中部製紙原料商工組合はこのほど、持去り古紙を繰り返し買い入れている事業者として、㈱旭宝(大阪府岸和田市)の名前を公表した。旭宝が持去り古紙受入れで警告を受け社名を公表されるのは、昨夏以降3回目。
今回の事案では、中部商組はまず、昨年11月に愛知県弥富市で持ち去られた古紙のGPSが旭宝付近で留まっているのを確認したが、とりあえず警告を見送った。しかし、12月7日にも愛知県阿久比町で持ち去られた古紙のGPSが旭宝付近で留まっているのを確認したため、警告を発しその事実を公表する旨、旭宝に連絡。しかし旭宝から、「3度目の警告と社名公表をしないでほしい」との強い要望があったため、誓約書と顛末書の提出を条件に一旦保留にした。
その後、同社から「今後持去り古紙を受け入れない」という誓約書と顛末書の提出があったが、再び12月29日に旭宝付近で留まっているGPS(名古屋市中区の持去り古紙)の軌跡を確認。同社に説明を求めたところ、「受入れていない」との回答があったものの確証が得られず、追加資料の提出を求めた。これを受けて同社は当日の取引履歴を提出、中部商組理事会で審議したが、「(伝票のシーケンスNo.が連番になっていないなどの疑問点があり)持去り古紙を受け入れなかった証拠にはならない」との判断に至り、事業者名公表となった。
株式会社 紙業タイムス社 「Future2/8号」より