厚生労働省はこのほど、2016年度の卓越した技能者『現代の名工』として表彰対象者160名を決定、去る11月21日に東京・港区の明治記念館で表彰式を執り行った。このうち紙関連業界からは、福井県越前市の長田榮子さんが選ばれ、厚生労働大臣から表彰状と卓越技能賞(楯と徽章)、褒賞金が贈られた。
卓越した技能者表彰制度は1967年にスタートし、今年度で50回目を数える。その道で卓越した技能を持つ第一人者を表彰することにより、その技能の世界で活躍する職人や若者に目標を示し、技能者の地位向上と技能水準の向上を図るのが狙い。
長田さんは79歳。越前市の長田製紙所で永年、紙手漉き工として働いている。繊細な模様を施した手漉き模様襖紙の製作で越前和紙業界から注目された。また、襖紙の端材リサイクルを契機にしたモダンなアート和紙や和紙小物の製作によって、「独自に販路開拓を進めて産地変革につなげた功績は大きい」と評価された。
株式会社 紙業タイムス社 「Future12/19号」より