高耐熱性リチウムイオン電池用セパレータを開発
三菱製紙はこのほど、470℃の高耐熱性を実現した、リチウムイオン電池用不織布・無機粒子複合セパレータ『NanoBaseX OZ-GXシリーズ』を開発した。
近年、リチウムイオン電池の用途は、従来の携帯機器から車載・産業用などの動力機器まで拡大し、電池のサイズも大型化しているが、それに伴い要求される安全性の確保が喫緊の課題となっている。
三菱製紙の『NanoBaseX』は、すでに国内外の電池メーカーで評価が進められており、フィルム・無機粒子複合セパレータと比較して高い安全性が得られることが確認されている。今回開発した『OZ-GXシリーズ』は、使用材料を全面的に見直すことにより、広く使われているフィルム・無機複合セパレータの耐熱温度(140~200℃)と、同社が2年前に発表した耐熱セパレータ『OZ-Sシリーズ』の270℃を大きく上回る470℃の耐熱性を達成した(耐熱試験映像 http://www.k-mpm.com/bs/video.php)。
三菱製紙は、これによりリチウムイオン電池で起こりうるセパレータの耐熱温度問題をほぼ確実にクリアできると考えており、今後2年以内に車載用リチウムイオン電池に採用されることを見込んでいる。
嚥下訓練用リハビリツール『アイススティック』発売
三菱製紙はこのほど、摂食嚥下障害を持つ人のためのリハビリテーションツール『アイススティック』を発売した。
『アイススティック』は、経済産業省が主催する「課題解決型医療機器開発事業」の一つとして、群馬大学医学部附属病院リハビリテーション科の和田直樹教授らとともに共同開発された。スティックの先端に角度がついているので(写真右)、施術中の口腔内が観察しやすく、感染対策のため1本毎の個包装になっている。
これまで、嚥下訓練用リハビリツールは施設内で手作りしていたが、『アイススティック』を使えばその準備作業が不要となり、医療現場の負担が軽減される。
三菱製紙は2013年に第二種医療機器製造販売業許可を取得、複数の医療機関、研究機関とともに医療機器や医療関連製品の開発を進めている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future1/2号」より