王子グループはセルロースナノファイバー(=CNF)の製法「リン酸エステル化法」を確立し、量産化に向けて2016年12月、王子製紙富岡工場内に実証生産設備(設備能力40t/年)を設置した。1月から本格的なサンプル提供を開始している。
CNFのサンプル提供は、製造能力に限界があったためこれまでは使用用途や量を制限せざるを得なかったが、今後は供給規模を拡大し、ユーザーニーズに応じた多様なCNFを提供していく。同時に、独自製法であるリン酸エステル化法の高い生産効率と品質(高透明・高粘度・チキソ性)の実証も併せて進める。4月発売予定のCNF増粘剤『アウロ・ヴィスコ』(本誌2016年12月5日号既報)を含め、その他用途へも幅広く応用展開していく考え。
なお同設備は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム(実用化開発フェーズ)」の採択を受けて実施される。
株式会社 紙業タイムス社 「Future1/23号」より