=紙パの第2四半期業績③=
	 前号に続き、紙パ関連各社の第2四半期(2017年4~9月)決算を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、( )内は対前年同期増減率、〈 〉内は前年同期の実績値。
	【製紙会社】
	●大王製紙
	〔第2四半期〕
	 売上高 252,775  (+10.6%)
	 営業益    2,681  (△76.0%)
	 経常益    5,247  (△35.4%)
	 当期益    4,164  (+15.7%)
	〔通期予想〕
	 売上高 540,000  (+13.2%)
	 営業益  11,000  (△53.3%)
	 経常益  12,000  (△43.8%)
	 当期益  6,000  (△50.6%)
	○紙・板紙…売上高は前年同期比+4.8%、セグメント損益は△16億200万円。新聞用紙は販売量・金額ともに前年割れ。新聞用紙を除く洋紙は、販売量は前年並みで、販売金額は連結子会社増加により前年同期を上回った。板紙・段ボールは、加工食品分野の需要増もあり、販売量・金額ともに前年同期を上回った。セグメント損益は、古紙価格の上昇など原材料費の増加と、印刷用紙の価格改定の決着が遅れたことにより、赤字化した。
	○ホーム&パーソナルケア…売上高は前年同期比+18.9%、セグメント利益は同△20.5%。国内事業は全カテゴリーで販売量・金額ともに前年同期比プラス。家庭紙は、日清紡ホールディングスからの事業譲受により販売が拡大、またティシュ、トイレットペーパー、キッチンタオルで価格修正と付加価値品への販売シフトが進んだ。大人用紙おむつは夜用パッドを軸とした拡販などが寄与し、ベビー用紙おむつも拡販が進んだ。海外事業も販売量・金額ともに前年同期を大きく上回った。セグメント利益は、7~9月は前年同期を上回ったが、2Q累計は、1Qに中国で販売促進費が嵩んだため前年割れ。
	●北越紀州製紙
	〔第2四半期〕
	 売上高 132,445 (+0.1%)
	 営業益  4,562 (△26.3%)
	 経常益  6,945 (+61.3%)
	 当期益  5,362 (+63.6%)
	〔通期予想〕
	 売上高 275,000 (+4.8%)
	 営業益  12,000 (△7.0%)
	 経常益  16,000 (+13.8%)
	 当期益  11,000 (+6.0%)
	 売上高は、微増となったものの5月に発表した業績予想を下回った。一方、営業益は原燃料価格の高騰などにより減益となったものの、海外子会社の好調から5月発表時の予想を上回った。また、経常益も為替差益の発生により、当期益はこれに加えて特別損益が想定より改善したため、5月発表時の予想を上回る結果となった。
	○紙パルプ事業…売上高は前年同期比+0.4%、セグメント利益は同△35.5%。
	○パッケージング・紙加工事業…売上高は前年同期比△3.1%、セグメント利益は同△4.2%。
	 なお通期予想は、2Qの業績および下期の事業動向見通しを踏まえ、5月発表の前回予想から売上高を50億円下方修正した。営業益、経常益、当期益は据え置き。
	●三菱製紙
	〔第2四半期〕
	 売上高 99,415 (△1.0%)
	 営業益 303 (△84.7%)
	 経常益 313 (△37.4%)
	 当期益 △418 〈△294〉
	〔通期予想〕
	 売上高 203,000 (+0.5%)
	 営業益   3,000 (△30.5%)
	 経常益   2,500 (△7.5%)
	 当期益   1,500 (+30.1%)
	 売上高は、洋紙価格修正の浸透遅れなどにより減収。損益面は、売上げの減少に加えて原燃料価格の上昇もあり減益となった。
	○紙・パルプ事業…売上高は前年同期比△1.0%、営業損益は△5億4,500万円。国内販売は、情報用紙が堅調だったが印刷用紙は減少、輸出は印刷用紙が伸長。その結果、販売量は増加したが、販売金額は価格修正の浸透が遅れたため減少。欧州子会社も、販売量は増加も販売金額は為替の影響で減少。
	○イメージング事業…売上高は前年同期比△2.6%、営業利益は同△85.9%。国内は写真感光材料や印刷製版材料の需要減退により、販売金額は減少。海外の販売金額は増加。
	○機能材事業…売上高は前年同期比+3.0%、営業利益は同+46.6%。機能材料、化学紙ともに販売金額が増加。
	○その他…売上高は前年同期比+5.0%、営業利益は同+17.7%。
	 通期予想は、洋紙価格修正の浸透遅れと効果幅の未達などにより、5月公表の前回予想を売上高と営業益で下方修正した。修正幅(単位100万円)は売上高△2,000、営業益△1,000。
	●中越パルプ工業
	〔第2四半期〕
	 売上高 46,125 (+0.4%)
	 営業益 △113 〈1,004〉
	 経常益 △231 〈822〉
	 当期益 △74 〈1,247〉
	〔通期予想〕
	 売上高 95,500 (+1.7%)
	 営業益  0 〈1,489〉
	 経常益  0 〈1,397〉
	 当期益   0 〈1,255〉
	 二塚製造部で送受電設備が故障し(2018年2月復旧予定)、電力販売が減少したことや、新聞古紙価格急騰による原料コスト上昇などの影響から、前年同期と比べて損益は大幅に悪化した。
	○紙・パルプ製造事業…売上高は前年同期比+0.3%、営業損益は△10億9,100万円。新聞用紙、印刷用紙は販売量・金額ともに前年割れ。包装用紙は、海外製袋事業の伸びが寄与し、販売量・金額ともに前年同期比プラス。特殊紙・板紙・加工品等は、加工業者の在庫調整の影響やインバウンド需要の陰りで販売量・金額ともに前年割れ。パルプ販売は販売量・金額ともに前年同期を大幅に上回った。
	○発電事業…売上高は前年同期比△5.4%、営業利益は同△12.3%。二塚製造部の送受電設備故障により減収・減益。
	○その他事業…売上高は前年同期比+1.4%、営業利益は同+6.4%。
	●特種東海製紙
	〔第2四半期〕
	 売上高 39,727 (+3.4%)
	 営業益   1,961 (△4.6%)
	 経常益   657 (△69.1%)
	 当期益  360 (△85.7%)
	〔通期予想〕
	 売上高 78,400 (+0.9%)
	 営業益  3,300 (△29.9%)
	 経常益  1,900 (△62.6%)
	 当期益  1,000 (△74.0%)
	○産業素材事業…売上高は前年同期比+6.4%、セグメント利益は同△5.9%。主力の段ボール原紙およびクラフト紙は、営業を開始した日本東海インダストリアルペーパーサプライ向けの生産が順調に推移したことなどにより、販売量が前年同期を上回った。
	○特殊素材事業…売上高は前年同期比△0.9%、セグメント利益は同+0.0%。特殊機能紙は、工業用機能紙の販売が堅調に推移し販売量が前年同期を上回った。特殊印刷用紙は、期後半の需要を取り込めず販売量・金額ともに減少。
	○生活商品事業…売上高は前年同期比+1.2%、セグメント利益は同△11.0%。ペーパータオルは、販売量は前年並みだったが、販売価格は低下。トイレットペーパーは堅調。
	 通期予想は、5月発表の前回予想を経常益と当期益で下方修正した。修正幅(単位100万円)は経常益△1,700、当期益△1,300。営業外損益、特に持分法による投資利益の見込みに変動があったため。
	●巴川製紙所
	〔第2四半期〕
	 売上高 17,644 (+16.2%)
	 営業益  720 〈△65〉
	 経常益 654 〈△144〉
	 当期益 448 〈△371〉
	〔通期予想〕
	 売上高 35,000 (+8.1%)
	 営業益   1,100 (+27.3%)
	 経常益   1,000 (+114.9%)
	 当期益   600 (+137.3%)
	 トナー事業で増販や新製品の貢献があり、半導体市場向け電子部品関連製品も好調に推移。また、ディスプレイ市場向け光学フィルム関連事業も、前年同期に比べて大幅な受注増となった。市場縮小が進む既存製品を抱える機能紙事業でも、新製品を含めた拡販努力により前年同期並みの売上を維持した。 これに、当期より中国事業を3月末決算に統一する影響が加わり、売上高は増収となった。利益面では、売上増加および製品構成の改善に加えて、使用電力の低減やコストダウン施策の効果が計画通りに発現したほか、生産性向上も進めた結果、営業益が黒字化。経常益と当期益も、営業益の回復に加えて為替差損の大幅減などから黒字に回復した。主なセグメントの業績(前年同期比)は、プラスチック材料加工事業が売上高+26.7%、セグメント利益約38倍、製紙・塗工紙関連事業が売上高△0.4%、セグメント損益△1億400万円(前年同期△1億800万円)。
	 2Qの好調な業績を受けて通期予想は、11月13日号既報の通り、利益の全段階で上方修正している。
	株式会社 紙業タイムス社 「Future12/4号」より



















 
       
      
