＝王子ホールディングス＝過去5年の決算を訂正 最終益68億円減

　王子ホールディングスは本誌11月27日号既報の通り、過去の会計処理を巡って会計監査人と見解が一致せず、2018年3月期第2四半期決算短信の公表を延期し、「見通し」として発表するにとどめていたが、このほど確定した決算短信を公表、併せて過年度（2013年3月期～2017年3月期）の決算短信や有価証券報告書など、関係報告書を訂正した。

　見解の不一致とは、2013年3月期決算で、連結化した海外子会社の植林資産の評価方法について、会計監査人より疑義が呈されていたもの。なお王子ホールディングスは、2016年6月に会計監査人を新日本有限責任監査法人からPwCあらた監査法人に変更している。

　今回、過年度訂正するに至った理由について王子HDは、「2013年3月期決算で企業結合時に時価評価した植林資産のその後の会計処理について、時価評価差額（当時の簿価と時価の差額）を取崩さず評価を据え置いていたが、改めて検討した結果、時価評価差額は植林の伐採に応じて取り崩すこととし、過年度に公表した財務諸表を訂正する必要があると判断した」と説明している。

　同社が過去5年に遡って訂正した決算短信（期末）とその影響額は次記の通り。以下、①営業利益　②経常利益　③当期純利益　④総資産　⑤純資産、左から訂正前額、訂正後額、影響額（連結ベース、単位100万円）。なお、売上高は訂正なし。

■2013年3月期

① 52,383 43,511 △8,872

② 54,565 44,972 △9,593

③ 25,600 21,628 △3,972

④ 1,831,251 1,820,999 △10,252

⑤ 579,128 571,389 △7,739

■2014年3月期

① 62,023 57,290 △4,733

② 70,358 65,176 △5,182

③ 33,801 31,618 △2,183

④ 1,915,676 1,898,170 △17,506

⑤ 670,356 657,626 △12,730

■2015年3月期

① 46,694 43,867 △2,827

② 52,970 49,360 △3,610

③ 17,344 15,526 △1,818

④ 2,164,091 2,140,641 △23,450

⑤ 801,372 784,420 △16,952

■2016年3月期

① 73,685 71,987 △1,698

② 62,362 60,517 △1,845

③ 15,257 12,706 △2,551

④ 1,934,921 1,909,483 △25,438

⑤ 730,915 711,230 △19,685

■2017年3月期

① 70,508 70,243 △265

② 51,190 52,949 ＋1,759

③ 36,562 40,270 ＋3,708

④ 1,918,128 1,901,029 △17,099

③ 774,747 759,198 △15,549

■2018年3月期第1四半期

① 12,667 12,667 －

② 10,165 10,081 △84

③ 5,608 5,525 △83

④ 1,917,276 1,894,982 △22,294

⑤ 770,114 754,960 △15,154

　また、併せて発表された2018年3月期第2四半期業績は次記の通り。以下、連結ベース、単位100万円、（　）内は対前年同期増減率。

■2018年3月期

〔第2四半期業績〕

　売上高 718,367 （＋3.7％）

　営業益 26,568 （△21.0％）

　経常益 24,179 （＋92.1％）

　当期益   16,517 （＋96.6％）

〔通期予想〕

　売上高 1,500,000 （＋4.2％）

　営業益   75,000 （＋6.8％）

　経常益   64,000 （＋20.9％）

　当期益   37,000 （△8.1％）

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future１/１５号」より