中越パルプ工業はこのほど、本社工場のある富山県高岡市に、環境経営総合研究所と合弁で「中越エコプロダクツ㈱」を設立、プラスチックに代わる新素材の製造事業を本格化する。
中越エコプロダクツでは、環境経営総合研究所が開発した新素材『マプカ(MAPKA)』シートを製造していく。マプカは、51%以上の紙パウダー(最大55%)と合成樹脂を混合した新素材で、プラスチックでも紙でもない素材ながら、従来のプラスチック容器と同等の機能を持つ。プラスチック同様に成型できることに加え、食品衛生法への対応や電子レンジでの耐久性など、安全性、機能性の検証も得ていることから、プラスチックに代わる新素材として注目されている。
合弁事業では、中越パルプ工業がマプカの主原料となる紙を生産・供給し、環境経営総合研究所の紙パウダー製造技術、合成樹脂との混合技術を活用して、中越エコプロダクツがマプカシートを製造する。製造したマプカシートの販売は環境経営総合研究所が引き受け、食品向けトレーなどの分野へ展開していく。
近年、世界各国で使い捨てプラスチックの環境負荷やマイクロプラスチックによる海洋汚染、埋め立てによる土壌汚染、水質汚染などがクローズアップされ、プラスチックの使用規制や禁止などの取組みが始まっている。
中越パルプ工業と環境経営総合研究所は、マプカを“日本発オンリーワン”の新素材として、富山県から世界に向けて拡げていく考えで、まずは国内の大手食品流通を中心にコンビニ、スーパー、宅配弁当、介護食弁当などの使い捨てプラスチックトレーの代替品として普及を図りながら、海外に食品を輸出する企業にも、日本独自のエコトレーとして用途を拡大していく方針。
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/8号」より