北越コーポレーションはこのほど、セルロースナノファイバー(=CNF)と炭素繊維の、軽量化複合素材を新たに開発した。
同社は、CNFと先端素材である炭素繊維を融合させた複合材料の開発を進めており、今回は、オールセルロースのCNF強化材料であるバルカナイズドファイバー(=VF)に炭素繊維を少量配合することで、周囲環境の変化による伸縮を抑制しつつ、加工適性と強度を維持し、従来のVFに比べて2割ほど軽量化した複合素材の開発に成功したもの。
VFは、ミクロンサイズのセルロース繊維をナノサイズのCNFで接着(強化)した、斬新な複合材料。密に絡んだCNFが強靭性を付与している。また、耐熱性、電気絶縁性にも優れるほか、生分解性も有しており、プラスチックの代替素材としても注目されている。VFシートはブロック状に積層することもでき、このブロックやシートを加工することで、自動車部品、電子機器部品・筐体、建材などへの応用も可能。
新開発の複合素材は、北越の連結子会社である北越東洋ファイバーですでに量産技術を確立しており、現在、顧客ニーズに応えてカスタマイズを進めている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future4/15号」より