日本製紙はこのほど、「抗ウイルス」および「抗菌・消臭」性能を持つ変性セルロースを開発した。
同社が開発した変性セルロースは、セルロースナノファイバー(=CNF)製造の中間体である変性セルロースを原料とし、化学処理した変性セルロースの表面に金属イオンを担持させることで、高い抗ウイルス性能と抗菌・消臭効果を発現する。セルロースなので不織布や紙などへの加工がしやすく、このため同社では、不織布をベースとする衛生材料や、フィルターなど日用雑貨・工業用途への採用に期待を寄せている。生産は石巻工場。
印刷用紙の新製品『npi抗ウイルス上質』を上市
そして日本製紙は、この変性セルロースを用いた印刷用紙の新製品『npi抗ウイルス上質』を上市した。「抗ウイルス」および「抗菌・消臭」性能を備えた画期的な印刷用紙で、取扱い坪量は80g/㎡。同社が、金属イオン担持変性パルプ配合の紙製品を用いて行った抗ウイルス試験(JIS L 1922)によれば、ウイルスを99.9%まで低減することができたという。
株式会社 紙業タイムス社 「Future9/28号」より